1990年代に、あの大物イギリス人俳優が『007』の敵役のオーディションを受けていた。しかし落選となった裏には、ダニエル・クレイグの存在が!?(フロントロウ編集部)

敵も魅力的な『007』シリーズ

 1962年から続くスパイ映画『007』。シリーズからはこれまでに6人のジェームズ・ボンドが生まれ、多くの敵も登場してきた。

 代が変わるたびに注目を集めるボンド役は、現在、6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグが次回作の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で引退することを発表しているため、7代目は誰になるのかという予想合戦となっている。

 しかしながら、シリーズにおいて、敵役も大きな役割を担ってきた。第1作目の『007/ドクター・ノオ』でジョセフ・ワイズマンが演じたノオ博士は映画史に残る敵となっており、25作目となる『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、ラミ・マレックがどのような敵を演じるのかと注目を集めている。

 敵役が似合う俳優というのは、世界に多数存在している。そして、じつはあの俳優も、5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンの時代に『007』の敵役のオーディションを受けたことがあるそうだが、なんと、その後6代目となるダニエルのせいで落選することに。

 そんな逸話を英テレビ番組『There's Something About Movies(原題)』で明かしたのは…、マーク・ストロング

画像: 敵も魅力的な『007』シリーズ

マーク・ストロング、オーディションで失敗した理由

 舞台でも活躍する俳優としてその演技力が高く評価されるマークは、イギリスの悪役俳優を集めたジャガーのCMに登場したこともあり、悪役としての印象は強い。

 そんな彼が『007』シリーズに悪役として出演すれば、誰しもが納得する出来になることは間違いないが、そのためにはオーディションをパスしなければならない。しかし1990年代にオーディションを受けようとした若かりしマークは、その前夜に無茶なことをしでかしたよう。

 「セリフを覚えたから、お祝いのために飲みに出かけたんだ。そして泥酔したよ。飲み過ぎて、次の日はかなりの二日酔いになってしまった」

画像: マーク・ストロング、オーディションで失敗した理由

 重要なオーディションの前夜に飲みに行くというのは、かなり強気な姿勢と言える。そしてその判断はミスだったようで、二日酔いのままオーディションに参加したことで、「始めたは良いもののセリフを忘れて、何も思い出せず、崩壊したよ」と、散々な結果となってしまったそう。

 「汗をかいたね。ひどい経験だったけど、そこから多くを学んだ」と振り返る、現在57歳となったマーク。しかし1つのことには文句を言いたいようで、最後にこんなことを口にした。

 「皮肉なのは、その前夜に一緒に出かけた男は、ダニエル・クレイグなんだ。だから、彼を責めるよ!」

画像: 1996年に撮影された『Our Friends in the North(原題)』のキャストたち。後列左がマーク、後列右がダニエル。

1996年に撮影された『Our Friends in the North(原題)』のキャストたち。後列左がマーク、後列右がダニエル。

 そう、マークと飲みに行ったのは、のちのジェームズ・ボンドとなるダニエル! もちろん、実際にお酒を飲み過ぎたのはマークなので、ダニエルに責任はないが、その後彼がボンドとなって作品を大ヒットさせているのを見れば、少し嫉妬を感じてしまっても仕方のないこと。

 マークとダニエルは、イギリスのドラマ『Our Friends in the North(原題)』や映画『フラッシュバック』などで共演してきた。こんなエピソードを聞くと、『007』作品でダニエルのボンドと、マーク演じる敵が対決する作品を見たくなってしまうが、ダニエルの引退は決定済み。せめて、年を重ねて渋さを増したマークが、いつか『007』シリーズの敵としてスクリーンに現れることを期待したい。

(フロントロウ編集部)

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