ケイト・ウィンスレットが、主演ドラマのなかで外見を加工されることを拒否。その思いとは?(フロントロウ編集部)

ケイト・ウィンスレット、身体を加工されることを拒否

 ケイト・ウィンスレットが主演を務め、非常に高い評価を得ている米HBOのオリジナルドラマ『Mare of Easttown』は全7話のクライムドラマ。その最終回は、動画配信サービスのHBO Maxで“配信から24時間以内での最高視聴数”を更新したHBOオリジナルシリーズのエピソードとなり、直接の繋がりは不明であるものの、配信時にはHBO Maxのアプリがサーバーダウンした。

 本作でケイトは、私生活で深刻な問題を多数抱えながら、ある殺人事件の解決に取り組む刑事のメアを演じた。

 そんなケイトは、メアを描くうえで制作陣と闘ったことがあるという。米New York Timesのインタビューで彼女が明かしたところによると、クレイグ・ゾベル監督は、セックスシーンで見えた彼女の膨らんだお腹を加工しようと提案。そこで彼女が返した返答は、「ありえない」

加工されることはよくあること

 女性俳優の外見が加工されることは、残念ながらよく聞く話。しかしそれによって、それを見る女性にも男性にも、女性の加工された姿がまるで標準の姿であるかのように伝えることになり、悪影響がある。

 ケイトが外見の加工について闘ったのはそれだけではないそうで、ドラマのポスター画像が加工されていると気がついたケイトは、2回、やり直しを求めたという。

 「彼らは『ケイト、本当に。できないよ』って感じだったけど、私は『君たち。私は自分の目の横に何本線があるか知ってる。それを戻して』って感じだった」

画像: 加工されることはよくあること

 ケイトの判断には称賛が送られているが、この件は、彼女が気がつけたからこそ起こった出来事。

 過去に、自分の画像が加工されていたことがあると明かしたロザムンド・パイクは、その際に、「きっと、私たちの画像が加工され、しかし私たち自身はそれに気づいていない時というのは数えきれないほどある。なぜなら、私たちはみんな、本当の自分はどう見えるのかという理解を失ってきているから」と、加工された画像が見る人の認識に与える影響について指摘している

ケイト・ウィンスレット、リアルな人物像を描く重要性

 物語において女性主人公が少ないことは問題になってきた。そしてその問題は、年齢が上がるにつれて大きくなる。

 しかし本作では、40代の女性が主人公として描かれ、ストーリーも高い評価を得た。ケイトはその理由の1つとして、メアがリアルな女性として描かれていることがあると考えているという。

 「夫に、『良いと思う?一夜限りの関係を持つことが多い、孫がいる中年女性を演じるのは良いと思う?』って言ったら、彼は、『ケイト。素晴らしいことだよ』って。
 聞いてほしい。中年女性であるメアを演じるうえで…、私は10月に46歳になるけど、人々がこのキャラクターに繋がりを感じてくれたのは、脚色されていないからだと思うよ。彼女は自立しており、傷を抱えた女性で、身体と顔の動きはその年齢や人生、彼女の過去を表している。私たちはそれを表現できたと思う」

画像: ケイト・ウィンスレット、リアルな人物像を描く重要性

 ケイトのように、リアルな女性像を描くことに情熱を持つ俳優は増えている。例えば、エイザ・ゴンザレスは『I Care a Lot(原題)』でメイクをすることを拒否した。映像や物語の持つ力は大きい。そのなかで、ポジティブな変化を起こすために行動している人は多い。

(フロントロウ編集部)

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