『プラダを着た悪魔』ミランダの白髪は…?
2006年に公開され、世界的大ヒットを記録した映画『プラダを着た悪魔』。
アン・ハサウェイ演じるアンディが、ファッション雑誌の鬼編集長ミランダの元で切磋琢磨しながら成長していくストーリーと、多くのブランドの服が続々と登場した劇中のファッションは、いつまでも色褪せない。
ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の衣装を手掛けたことでも知られるパトリシア・フィールドが本作の衣装を担当したが、彼女には、ミランダの外見に関して、服装ではない点で気にかかっていたことがあるという。
公開15周年を祝福して、米EWのインタビューで再集結したキャストや制作陣。そこでパトリシアとミランダを演じたメリル・ストリープは、こんな会話を繰り広げた。
パトリシア:「メリルは白い髪が良いと話してきたけど…、私は彼女に、『(プロデューサーたちを)説得できないよ。彼らの頭の中では白い髪はグレイヘアなんだから』って言ったの」
メリル:「性差別!」
オーラで周りを説得したメリル・ストリープ
ミランダの白髪は、彼女のダークカラーの衣装にマッチしてとてもかっこ良い仕上がりで、むしろ白髪でないミランダは考えられないと感じてしまう。しかし当時は、白髪は受け入れられないと思ったというパトリシア。
実際、デヴィッド・フランケル監督は、フォックス2000ピクチャーズの元代表であるエリザベス・ガブラー氏から、「メリルが白いカツラをかぶることになれば、映画は台無しになる」と言われていたことを過去に明かしている。しかし監督によると、メリルの白髪姿があまりにキマっていたことで、上層部も何も言えなくなるほどのオーラを放っていたよう。
「メリルが初めてミランダ・プリーストリーになった日が、制作会社のトップとのミーティングだったんだ。会議でメリルはミランダになりきり、彼女の髪の毛については何も言われなかった。彼らはメリルの目を見て、その後は何も言わなかった」
とはいえ、ミランダのモデルは、米Vogueの鬼編集長として知られるアナ・ウィンターだと言われている。アナの髪色はブラウンであるため、制作陣が白髪を予想していなかった理由は理解できる。しかしプロデューサーのカーラ・ハッケンは白髪にかなり前向きだったようで、ガブラー氏が、カーラから受けた連絡について振り返った。
「カーラ・ハッケンは、『ビビらないで。メリルの髪型がどうなるかの初期ルックが出た』って言ってきた。メリルと、彼女のキャリアでずっと一緒にやってきた(ヘアメイクアップアーティストの)J・ロイ・ヘランドは、私たちが予想していなかった外見にたどりついた。カーラは、『みんな。心配しないで。私はこれを採用するし、これは素晴らしいものになる』って言ってた」
メリルが1度白髪でセットされた髪型、外見を見せてしまえば、誰もそのオーラに文句は言えないだろう。強い意志を持ち、行動したメリルはさすが。
ちなみに、メリルが演技の参考にしたのはアナではなく、「ハリウッドで働く“ある男性2人”」だという。
(フロントロウ編集部)