AHAとは？
ニューヨーク州の皮膚科クリニック「ウェクスラー皮膚科」で勤務する皮膚科専門医のケネス・ハウ医師によると、AHA（アルファヒドロキシ酸）とは、肌くすみやゴワつきの原因になりやすい「古い角質」をオフする際に用いられる「酸」の一種。
ハウ医師は「サトウキビ、または（リンゴや柑橘など）ほかの植物から抽出されることから、しばしば“フルーツ酸”とも呼ばれる」と米Byrdieでコメント。とくに、サトウキビ由来の「グリコール酸」はAHAのなかで最も分子が小さく、刺激も少ないので、スキンケア製品として幅広く使用されているという。
AHAの美肌効果って？
AHAには、ニキビやくすみの原因になる皮脂や古い角質をオフする以外にも、コラーゲンの生成を促してシワを改善するなど、じつはさまざまな美肌効果が期待できるとハウ医師は言う。
1つめの美肌効果は、肌のキメを整える「ピーリング効果」。
ハウ医師は「AHAは、皮膚の“表皮”と“真皮”の両方に有益だと言われている。表皮では、AHAが持つピーリング効果が肌の表面に残った古い角質を除去する。これは、古い角質と肌の間に残った接着部分を穏やかに分解することで行なわれる。いったん（接合部分を）切り離してしまえば、あとは自然と（古い角質が）肌の表面から剥がれ落ちるようになる」と話している。
2つめの美肌効果は、肌の小じわやシミを改善する「エイジングケア効果」。
ハウ医師は「AHAには、線維芽細胞（美肌の元となる成分を作り出す細胞の1つ）が持つコラーゲン生成の働きを促すと同時に、肌のハリを支える成分の分解を減少させる効果が期待できる」と説明。これらの働きによって、ふっくらとしたハリ肌に導いてくれるのだと明かした。
AHAを使用する際の注意点
このように、AHAには肌くすみやゴワつきを取り除いたり、肌のハリツヤをアップさせたりとさまざまな美肌効果が期待できる。
しかし、1点だけ気をつけたいのは「酸」の強さ。デンマークの美容皮膚科医のオーレ・ヘンリクセン医師によると、早く効果を実感したいからとAHAの濃度を強めるのはNG。肌の角質を剥がしすぎる恐れがあり、肌が敏感になったり、赤くなったり、もろくなったりすることがあるという。
ヘンリクセン医師は「（AHAを使うことは）エクササイズのようなもの。全体とのバランスを取ることが大切。とくに皮膚は生きて呼吸する器官であり、一生付き合っていかなければならないパーツなので、バランスを見つけることが重要」と豪Beauty Crewで語り、AHAの使いすぎには注意するようアドバイスした。
つるんとしたスベスベ美肌に導いてくれる美肌成分「AHA」。ただし、ひとによっては刺激を感じる恐れがあるため、できるだけマイルドな作用を持つアイテムから始めて、使用頻度も週1~2回くらいに留めておくのが無難かも。（フロントロウ編集部）
