今年のBETアワードにて、男性ダンサーとの濃厚なキスを含むセクシーなパフォーマンスを披露して話題を集めたリル・ナズ・Xが、その写真にかつてブリトニー・スピアーズとキスをした写真で対抗したマドンナが批判されたことにリアクションした。(フロントロウ編集部)

マドンナがブリトニー・スピアーズとのキス写真でリル・ナズ・Xに対抗

 現地時間6月27日に米・ロサンゼルスのマイクロソフト・シアターにて開催されたBETアワードにて、リル・ナズ・Xが披露したパフォーマンスに、クイーン・オブ・ポップの異名を持つマドンナが対抗した。

 リル・ナズはこの日、2019年の大ヒット曲「Old Town Road」以来2曲目の全米1位を自身にもたらした2021年3月リリースのシングル「MONTERO (Call Me By Your Name)」をパフォーマンス。ゲイセックスの喜びなど、ゲイである自身のセクシャリティを全面的に打ち出した楽曲である同曲のパフォーマンスは、セクシーな男性ダンサーとのキスで締めくくられたのだが、音楽賞では滅多に観ることができなかった黒人男性のLGBTQ+のレプリゼンテーションを高めたという点も含めて、称賛の声が集まった。

画像1: マドンナがブリトニー・スピアーズとのキス写真でリル・ナズ・Xに対抗

 そして、リル・ナズによる革新的だったとも言えるパフォーマンスに"対抗”したのがマドンナ。ご存知の方も多いと思うが、マドンナは2003年にMTVビデオ・ミュージック・アワード(VMAs)に出演した際、共演したクリスティーナ・アギレラやブリトニー・スピアーズとのキスを披露しており、今回、ブリトニーとのキス写真をインスタグラムにアップして、「#私が最初にやった(#IDidItFirst)」というハッシュタグを添えて、授賞式での同性のパフォーマーとのキスは自分が最初にやったと強調した。

画像2: マドンナがブリトニー・スピアーズとのキス写真でリル・ナズ・Xに対抗

マドンナに批判が集まり、リル・ナズ・Xがリアクション

 しかしながら、マドンナのこの主張には批判の声も多く寄せられることに。ファッション業界におけるデザインの類似などをたびたび告発してきたことで知られる、マドンナもフォローしているインスタグラムのアカウントである「ダイエットプラダ(Diet Prada)」は、マドンナの主張について次のように指摘した。

 「マドンナ、最近あなたが我々をフォローしてくださったことを知ったので(フォローありがとうございます)これを投稿しますが、あなたが2003年にVMAsという公共のプラットフォームで白人女性同士のキスを披露したことは、黒人のクィアの男性たちがそれを行なうことほど革新的なものではありませんでした。白人のシスヘテロ(※1)の人たちはこれまでも常に、クィアベイティング(※2)に限らず、好きなことをするための空間を与えられてきました。あなたが(ダンスの)ヴォーギングやボールルームのカルチャーも着服し、黒人のクィアやトランスジェンダーの人々が築き上げたものの上にレガシーを築いたこともリマインドしたほうがいいですか?」

※1:生まれたときに割り当てられた性別と性自認が一致しているシスジェンダーで異性愛者。
※2:LGBTQ +の当事者ではない人がマーケティングのためだけにLGBTQ +を利用すること。

 マドンナが2003年にVMAsで披露したパフォーマンスは、リル・ナズがしたLGBTQ+のレプリゼンテーションのようなものでなく、クィアベイティングだったとしてマドンナに批判の声が集まるなか、リル・ナズがマドンナの投稿にリアクション。マドンナの投稿を伝えたツイッターのアカウント「ポップクレイヴ(Pop Crave)」のツイートに返信する形で、「僕とマドンナは友達なんだ。単なるジョークだよ」とツイートして、友人であるマドンナのツイートはあくまでジョークで、自分としては気にしていないと説明した。

 先日、リル・ナズはストレートの人たちを含む大勢のオーディエンスを前に今回のようなパフォーマンスをするにあたり、不安を抱えていたことを明かしており、「このパフォーマンスに向けて精神を整えるのに、かなりの時間を要したんだ。ストレートの仲間たちの前でああいうパフォーマンスをするということで、ステージの上では震えていたよ。パフォーマンスの最中にも、緊張を抑えようと必死だったんだ」とツイートしていた。(フロントロウ編集部)

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