『チャーリーズ・エンジェル』撮影中にルーシー・リューがビル・マーレイを殴った?
ドリュー・バリモア、キャメロン・ディアス、ルーシー・リューの主演で2000年に公開された映画『チャーリーズ・エンジェル』。1970年代〜80年代にアメリカで放送された同名の人気ドラマの初めての映画化作品となった同作は大ヒットを記録し、2003年には続編『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』が公開。さらに、2019年にはクリステン・スチュワートらの主演でリブート版が公開されるなど、今でも高い人気を誇る作品だが、同作のファンの間では、長年囁かれているある“物騒なウワサ”がある。
それは、エンジェルの1人であるアレックスを演じたルーシーが、同作の撮影中、エンジェルたちの雇い主のアシスタントであるボスレーを演じたビル・マーレイと口論になり、彼を殴ったというもの。ビルはその後、続編『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』では降板となり、ボスレー役はバーニー・マックに引き継がれたが、ルーシーとビルの間に実際には何があったのかについては明かされてこなかった。
そして今回、この噂が再びツイッターで話題になり、“ルーシー・リューやドリュー・バリモア、キャメロン・ディアスら1人1人に順番に嫌味を言ってきたビル・マーレイに腹を立て、ルーシーが彼を殴った”というストーリーが拡散されることとなった。
if i didnt believe lucy liu was from queens before, i sure do now after hearing she literally started throwing hands at bill murray after he stopped in the middle of a take while filming charlie’s angels just to tell her she cant act � like first of all she carried that film!! pic.twitter.com/QVyWa5XynK
— knx (@knoxdotmp3) July 9, 2021
当時のアシスタントが噂の真相を明かす
ルーシーがビルを殴ったという噂がまたしても一人歩きしようとしていたなか、幸運と言うべきか、この投稿が映画で制作アシスタントを務めたショーン・オブライエンのタイムラインにも届くことに。ショーンは、「僕は現場にいたけど、実際に起きたこととは違うな」とこの投稿に返信した上で、実際に起きたことについて一連の投稿で説明した。
ショーンによれば、ルーシーがビルに腹を立てたというのは本当で、その出来事の発端となったのは、ビルが勝手に映画の脚本を書き換えたことだという。
「前提として、マーレイが(プロデューサーだったドリュー・バリモアを含めた)誰にも伝えることなく、いくつかのシーンを書き換えたのです」とショーンは一連の投稿を始めている。「彼が全員のトレーラーハウスに新しいページを置いて行って、セットに来た全員が、新しいページは一体どこから生まれたのかと疑問を抱きました。最後にセットに来たのがマーレイだったのですが、その時には既に大混乱でした」。
ビルが勝手に脚本を書き換えたことは、当然ながら監督のマックGら制作スタッフたちを怒らせることになったといい、「誰からも相談がなかったということで、(監督の)マックGはもうカンカンでした。助監督も怒っていましたね。ドリューの製作パートナーがやって来た時、マーレイは『何事ですか?』という感じだったのですが、マックGが『あなたのトレーラーにも新しいページが置いてありましたか?』と訊くと、マーレイは『いいえ。でも、僕が他の皆さんのトレーラーに新しいページを置きました』と答えたんです。ドリューとパートナーはこれを聞いて、呆気に取られていました」とショーンは続けている。
メインキャラクターの1人を演じるルーシーもまた、勝手に脚本を変えられたことが許せなかったようで、ショーンによれば、次のようなやり取りが交わされたという。「マーレイが『私はマシなものにしようとしたんです。分かりますか? 16人くらいの脚本家の仕事がここにある』と話し始めた時に、ルーシーがこう言ったのです。『これは一線を超えてる』と」。
さらに、ショーンは「マーレイは振り返ってこう言いました。『どうしてあなたが文句を言うか分からないです。あなたのセリフを増やしたんですよ? ほら、自分がどんな人たちと一緒にいるか考えてご覧なさい。あなたはTV(での仕事が中心)ですが、ここは巨大なリーグなのです』。その時に、ルーシーが叫んだのです。『ふざけんな! このゲス野郎!』と」と続け、長年噂されてきた、ルーシーとビルの間で交わされた口論の詳細を説明した。
実際にはルーシー・リューはビル・マーレイを殴っていない
「ルーシーが泣きながらステージから走り去ってしまったので、助監督はすぐにステージを撤収しました。キャメロン(・ディアス)は事態を落ち着かせようと、助監督がステージを撤収していた時にドリューを守っていました。当然ながら、他の人たちを中に入れないように、私たち制作チームは中に留まりました」と続けてツイートしたショーンは、自身にとってもビルの当時の発言は許せないものだとして、「ビル・マーレイのことは大好きですが(それ以前にも、彼と仕事をしたことはありましたので)、彼が彼女に言ったことは全くもって不要でしたね。高飛車でしたし、最悪でした」と批判した。
ショーンは一連の投稿を次のように締め括っている。「これは制作の極めて早い段階に起きたことで、その時にはもう、クルーたちはルーシーのことが大好きになりました(それから、キャメロンやドリューのことも)。いずれにせよ、パンチは一発もありません。少なくとも、肉体的なものに限れば。その後、彼からは謝罪がありましたが、私から言わせるときちんと心がこもったものではありませんでした」。
ショーンによる一連のツイートはこちら。
Cannot thank you enough for providing this clarifying account of this infamous incident, which proves A) #BillMurray is a massive asshole and B) #LucyLiu is a true feminist hero who isn't afraid to stand up to toxic bullshit from anyone, anytime. And thx for the bts pic too! pic.twitter.com/Fgnki2zNyK
— Liunatic Fringe (@LiunaticFringe) July 11, 2021
今回、実に“21年越し”に長年の噂の真相が明かされ、ルーシー・リューはビル・マーレイの発言に腹を立て、罵倒こそしたものの、拳で殴ることまではしなかったという事実が判明することとなった。
ユーザーから、真相を明かしてくれたことへの感謝を伝えられると、ショーンは「いくらかハッキリさせることができて嬉しいです」とした上で、ビルの名誉のために次のように付け加えた。「あれは私にとってビルと仕事をした2作品目で、僕のことは良く扱ってくれました。このことは覚えておいてください」。(フロントロウ編集部)