セレーナ・ゴメスがSNS上に溢れる新型コロナウイルスワクチンに関するデマに関して、依然として強硬策を取ろうとしないフェイスブックに抗議。(フロントロウ編集部)

大手SNS企業にデマやヘイトスピーチの規制を訴え続けるセレーナ・ゴメス

 月間アクティブユーザー数が27億人を超え、世界で最も利用者数が多いソーシャル・メディアのトップに君臨するフェイスブック(Facebook)。その傘下にあるインスタグラム(Instagram)は月間アクティブユーザー数が10億人を超えると発表されている(※)。

※2020年7月に公式が発表したデータ

 現代社会を生きる人々にとって大きな影響力を持つ2大SNSであるフェイスブックとインスタグラムは、以前からヘイトスピーチや根拠のないデマを拡散する温床となっていることが指摘。

 シンガーや俳優として活躍するセレーナ・ゴメスは、これまで再三にわたってフェイスブックや同社のマーク・ザッカーバーグCEOを名指しにし、直ちに対応するようはたらきかけてきた

画像: 大手SNS企業にデマやヘイトスピーチの規制を訴え続けるセレーナ・ゴメス

 2020年12月には、ツイッターを通じて、新型コロナウイルスのワクチンに関する有用性や副反応について誤情報を広めているユーザーが野放しにされていることに「科学的証拠に基づかない偽情報は人命に関わる。フェイスブックは、コロナワクチンにまつわるウソの情報の拡散を許さないと言ったはずなのに、どうしてまだ起こり続けているの? 今すぐに行動を起こさなければ、フェイスブックはたくさんの人たちの死の責任を負うことになるよ!」と厳しく非難。ネット上のヘイトスピーチや誤情報を監視するセンター・フォー・カウンタリング・デジタル・ヘイト(CCDHate)のCEOが「SNSの運営会社は口先ばかりで実際には何もしていない」と英BBC Newsに語る動画をシェアして世間に注意喚起した。


「デマの3分の2が12人の人間の仕業」

 それから半年以上が経った今も状況が改善しないことに業を煮やしたセレーナは、今一度、フェイスブックを名指しにして抗議。

 12月に行なった投稿を引用したセレーナは、「私は12月にフェイスブックとインスタグラムに新型コロナウイルスやワクチンに関するデマに対処するようにお願いしたよね」と切り出し、CCD Hateの調査により判明した「SNS上に出回っているデマの3分の2はたった12人の反ワクチン派の人間の仕業」だという分析レポートへのリンクをシェアした。

 続けて、ジョー・バイデン大統領とヴィヴェック・マーシー米公衆衛生局長官もフェイスブックで拡散されるデマが「人々の命を奪っている」と非難したことを挙げたセレーナは、「それなのに、なぜまだ行動を起こすことを拒否してるの? 」と冷たく言い放ち、フェイスブックにフェイクニュースの拡散をより厳しく規制するよう迫った。

 5月には、世界的チャリティ団体であるグローバル・シチズンと世界保健機関(WHO)がタッグを組んで開催した、新型コロナウイルスのワクチン接種を呼びかける特別コンサート『VAX LIVE: The Concert to Reunite the World』の司会を務めたセレーナ。

 起用が発表された際の声明では「これは、世界中の人々に自分の順番が来たらコロナワクチン接種を受けることを呼びかけ、世界各国のリーダーたちにワクチンを公平に分け合うことを求めるイベントです」「その一端を担うことが待ちきれません」と意気込みを語った。

画像: 「デマの3分の2が12人の人間の仕業」

 ジェニファー・ロペス、フー・ファイターズ、J・バルヴィン、H.E.R.といった豪華アーティストたちがパフォーマンスを披露したほか、ベン・アフレック、クリッシー・テイゲン、デビッド・レターマン、ゲイル・キング、ジミー・キンメル、オリビア・マン、ショーン・ペン、さらにイギリス王室のヘンリー王子も参加した同イベントは、YouTubeで世界100ヵ国に生中継。最終的に約332億円(3億200万ドル)もの寄付金が集まり、これによって2,600万回分以上のワクチンが調達できたことをグローバル・シチズンが発表している。(フロントロウ編集部)

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