7月30日より日本公開となる映画『イン・ザ・ハイツ』に出演したレスリー・グレース&メリッサ・バレラにフロントロウ単独インタビュー!(フロントロウ編集部)

2021年の注目ミュージカル映画『イン・ザ・ハイツ』

 『イン・ザ・ハイツ』は、ブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』の原作者、リン=マニュエル・ミランダが手がけたミュージカルの映画化作品。日本では、7月30日より公開となる。

 米辛口批評サイトRotten Tomatoesで観客、批評家ともに95%以上の評価を得ている本作は、歌手のアリアナ・グランデや俳優のヒュー・ジャックマンをはじめとする数々のセレブが大絶賛しており、FOX NEWS、バラエティ紙、タイム誌など全米の名だたるマスコミがこぞって「今年最も観たい映画」に挙げている。

【あらすじ】
『イン・ザ・ハイツ』は、NYの一角にある「ワシントンハイツ」という場所に住むヒスパニック系住民の日々を鮮やかに描いた一作。主人公は、ドミニカ系移民のウスナビ。彼は両親の遺した商品雑貨店を守りながら、ドミニカで暮らす事を夢見ている。そんな彼と街の住民が直面するのは、生きていくには厳しすぎる現実。貧困、人種や性差別、移民問題など、簡単には超えられない問題にぶち当たってしまう。さらに、そんな彼らを襲うのは、一帯を巻き込んだ大停電。何日も続く混乱と不安の末、ウスナビはあることを決断する…。

メリッサ・バレラ&レスリー・グレース単独インタビュー

 フロントロウでは、『イン・ザ・ハイツ』でメインキャストを務めたヴァネッサ役のメリッサ・バレラとニーナ役のレスリー・グレースに単独インタビュー!

 メリッサは、メキシコの映画・ドラマで10年近くキャリアを積み、今回ハリウッド映画に初出演で大役に抜擢。そして今後は人気ホラーシリーズ『スクリーム』の次回作への出演も決定している。

 レスリーは2012年から歌手として活躍しており、ミュージカル版の『イン・ザ・ハイツ』ニーナ役で俳優デビュー。DCコミックス原作映画『バットガール』で主演バーバラ・ゴードン/バットガール役を務めることが決定しており、今後の活躍も見逃せない。

 『イン・ザ・ハイツ』ではラテン系移民である自身のアイデンティティに悩み、未来への不安を募らせながらも成長していく姿を演じた2人。そんな2人が、本作の見どころや、アジア人との繋がりについて語った。

画像: メリッサ・バレラ&レスリー・グレース単独インタビュー

この映画と、自身の人生と共通する点はありますか?

メリッサ・バレラ:ええ、私たち二人ともが演じるキャラクターや登場する他のキャラクターに共感を感じるところがあると思う。自分の故郷を後にしたという点で、私はヴァネッサに共感できる。私は役者になる夢を追うためにメキシコを後にしたし、ヴァネッサはファッション・デザイナーを目指している。自分のポテンシャルを100%引き出すため、あるいはチャンスを得るために故郷を出なければと彼女は思ったわけだけど。それは私もそうだったから。

レスリー・グレース:私もそう思う。私もそういう意味でヴァネッサに共感したし、多くの人がそうだと思う。私たちは皆、ある時点で家を出なければいけなくなる。私もこの映画の後、家を出てロサンゼルスに引っ越したの。ニーナに関しては、私もニューヨーク出身で、コミュニティの中における家族の存在がニーナの家族と似たものでもある。大きな夢を持ち、無限に活躍できるように、いつもサポートしてくれる。幸運にもそれを経験できたけど、同時にどこへ行っても自分の周りの人々を代表(レプリゼント)しなければ、というニーナの感じる責任やプレッシャーもまた経験してきた。そして、色々な場において、他の人と少しばかり違うという理由があるからか、自分のコミュニティから普通には見てもらえないこともあった。これまでの自分の道のりの中で私もそういう経験をしている。

逆に自分とキャラクターの異なる点はどこでしょうか?

メリッサ・バレラ:私は追いたい夢を追える環境にあったし、良質な教育を受けられるように母がサポートしてくれた。だから、ヴァネッサにはなかった形で恵まれている。また、私は彼女がそうであるように、孤島のように人生を生きていないところが違うかな。彼女は自分の夢を自分の胸にしまい、痛みを抱え込んでしまう。その点では私とヴァネッサはかなり違っているの。

レスリー・グレース:私は間違いなくニーナほど頭が良くない。だって彼女はスタンフォード大学レベルの頭の良さだから(笑) 私にはスタンフォード大は無理(笑) でも冗談は置いておいて、それ以外にも、ニーナには母親がいないんだよね。私には両親がいて、楽だったわけじゃないけど、力を合わせることで自分たちが生活する上でも、私たちを育てる上でも十分な生計を立てることができていた。私が生まれ育ったニューヨークの地元では色々な意味でそういう家庭はあまり見なかったの。だからニーナの感じるプレッシャーは私も経験しているけれど、彼女の感じるそれは私が感じるものよりずっと大きいというのが違うところではないかと思う。

画像: メリッサ・バレラ

メリッサ・バレラ

ラテン系の話である本作は、アジア人にとってはどのような意味がありますか?

メリッサ・バレラ:まず第一に、私たちはアジア系アメリカ人のコミュニティから多くの愛とサポートを受けているの。何をしている団体なのか正確には知らないけれど、ゴールドハウス(アジア、太平洋諸島系クリエーターをサポートする文化系NPO団体)という団体が、NALIPという全米ラテン系独立系プロデューサー協会と提携している。NALIPは常に私たちのコミュニティをサポートし、この業界で成功したい人たちに奨学金やインターンシップを提供している団体。この二つの団体が提携して初日に映画館をいくつか満員にする予定なの。そして、この映画の監督はアジア人であり、ご家族は中国出身。だから、私たちは繋がっているんです。(アジア系である)ジョン(・M・チュウ監督)自身が、ラテン系の人々の経験に完全に共感できることを証明くれていると思う。だから、自分が歓迎されていないとか、どこにも属していないのでは、と感じたことのある人も、この物語や登場人物に共感できると思ってる。

レスリー・グレース:同感。ジョン(・M・チュウ監督)は移民の家庭の出身でもあるから、主にラテン系のコミュニティが舞台であるこの物語の中でも、普遍的なテーマを掘り下げることができた。この映画では、出身地に関係なく、誰もが経験する普遍的なものが描かれている。アジア系のコミュニティもまた、特にここ1年間で、メキシコ系アメリカ人の(他の)コミュニティと同じように、疎外と言ったような経験をしているんだということをみんなが知ることとなったよね。私たちが経験する葛藤は同じもの。だからこそ、自分たちの違いを大切にし、自分たちが置かれている状況を大切にすることで、私たちはそれらすべてのストーリーを尊重することができる。そしてそこに親近感が生まれるんだと思う。だから、アジア系のコミュニティもまた、この映画をとても楽しむことができると思うし、(ラテン系の方が本作を観てそう感じるように)自分たちもまたその存在を認識されているのだと、(ラテン系の観客と)同じように感じることができるのではないかと思ってる。

演じるにあたって、参考にした人はいますか?

メリッサ・バレラ:特にいなかったと思う。自分が知っている多くの人からインスピレーションをもらった。また、ワシントン・ハイツでリハーサルをしている時に地元の人々を観察したり、ワシントン・ハイツで育った人々やダンサーを観察したりした。もちろん、これまでにこの役を演じてきた多くの偉大な女優たちの例も参考にはできたけど、それよりも今回は自分たちのバージョンを作り上げることが大切だと考えた。ジョン(・M・チュウ監督)もリン(=マニュエル・ミランダ)も大いに助けてくれたの。彼らは信じられないほどの寛大さをもって、私たちに自分たちのバージョンを見つけさせてくれた。

レスリー・グレース:私たちはとても自由に自分たちの人生経験のすべてを、自分たちが痛切に共感するこのキャラクターたちに持ち込むことができた。この物語が何の物語であるかを理解しているリン(=マニュエル・ミランダ)や(ミュージカル&映画で脚本を手がけた)キアラ(・アレグリア・ヒュディス)、ジョン(・M・チュウ監督)からもたくさんのインプットがあったけど、(逆に彼らは)私たちの言葉にもたくさん耳を傾けてくれた。「君はヴァネッサに何をもたらせると思う?」や、「ニーナに、ベニーに、ウスナビに何をもたらせると思う?」って。私たちはそのおかげで自分たちが信頼されているんだと感じたし、キャラクターを自分たちのものにすることができた。私たち自身の人生を持ち込み、キャラクターたちに命を吹き込まなければいけなかったの。カート(・クラウリ―/ヴォーカル・スーパーバイザー)はいつも「音楽面に関しては脚本を逸脱するな」と言っていたけれど、(それ以外の部分で)私たちは自分たちの生活の中で価値があると感じたものをキャラクターに取り入れていったの。

画像: レスリー・グレース

レスリー・グレース

一番好きなシーン、見てもらいたいシーンはありますか?

メリッサ・バレラ:それはやっぱり(コミュニティの母的な存在のキャラクターである)アブエラ・クラウディア(のシーン)。アブエラ・クラウディアの物語、彼女の物語の言葉すべてに注目して欲しい。それはとても美しく、私たちと一緒に歌う美しい歌を通して描かれていきます。胸に迫るものがある。

レスリー・グレース:私もアブエラ・クラウディアは大事なポイントだと思います。あの曲(劇中歌「パシエンサ・イ・フェ」)はとても美しく、豊かで、魅力的で、視覚的にもたくさんのことが起きているナンバーで、ついそれに気を取られてしまうかもしれないけど、彼女が口にする歌詞を聴いてもらえれば、それが本当に多くの人々の物語なのだということがわかる。家族と共により良い人生を目指し、夢を追いかけて国境や海を越えた人々の。また、彼らの戦いに私たちが耳を傾け、私たちのために多くのことを成し遂げてきた祖先たちが、いかに素晴らしい存在であるかを認識することもとても重要なことだと思ってる。

もし、劇中のように莫大な宝くじが当たったらどうしますか?

メリッサ・バレラ:わ、いい質問! まだ聞かれていなかったよね? あ、でも(劇中歌)「96,000」の撮影中、ハリウッド外国人映画記者協会にその質問をされた時は、妹の学費に充てる、と答えたよ。役者志望なの。もし宝くじが当たったらそれに使う。

レスリー・グレース:みんな、家族のために使う、という返事をするんじゃないかな? 同じような質問をされた時にも、家族と分かち合いたい、というようなことを答えた。親の家のローンを全額支払って、何があっても家があるように、安泰に過ごせるようにするとか。お金に関しては多分全額家族のために使う(笑)。

画像: © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

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今後の展望について教えてください。演じてみたい役はありますか?

メリッサ・バレラ:ラテン系コミュニティの人々の中にある大きなふり幅をこれからも見せていきたいね。ポジティブな光を当てるような、色々なストーリーを綴っていきたいのはもちろん、様々な人生を綴っていきたい。そうすればひとつの映画、ひとつのTV作品でいかにレプリゼンテーションされているか、みたいな争いをしなくて済むし、私たちみんなが共感したり、自分の存在を認めてもらっていると感じられる作品のオプションが増えると思うから。

レスリー・グレース:同感! ふり幅を見せたいし、本人が望むなら必ずしも出身地によって限定されないキャラクターも演じたい。時代はもう、(どこの誰とかではなく)ひとりの人物を演じられるそんな時代になってきていると思うし、映画でもテレビでもそうできるようになればいいと思ってる。(人種などの背景がどうこうではなく)人間を演じる、ということだね。

 メリッサ・バレラ&レスリー・グレースが大活躍する映画『イン・ザ・ハイツ』は、7月30日より日本の劇場で公開。(フロントロウ編集部)

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