ラッパーのダベイビーがHIV/AIDSと共に生きる人や同性愛者に対する差別発言をして問題となり、複数のフェスティバルへの出演がキャンセルとなっていることなどを受け、マイリー・サイラスがダベイビーへのサポートを表明した。(フロントロウ編集部)

フェスティバルへの出演が続々とキャンセルになっているダベイビー

 米現地時間7月25日に出演したアメリカ最大級のヒップホップ系フェスティバル「Rolling Loud」のステージで、HIV/AIDSと共に生きる人や同性愛者に対する差別発言をして問題視されたダベイビー。

画像: フェスティバルへの出演が続々とキャンセルになっているダベイビー

 ヒット曲「Levitating」でダベイビーとコラボしているデュア・リパがすぐさま彼の発言を非難する声明を出したり、契約を結んでいたファッションブランド「boohooMAN(ブーフーマン)」が彼との契約を解除することを発表したりと、一連の発言がきっかけで自身の仕事にも影響が出ているダベイビーだが、ここに来て、さらに仕事のキャンセルが相次いでいる。

 今年のグラミー賞では主要部門の1つである年間最優秀レコード賞を含む6部門にノミネートされるなど、ラッパーとして大活躍していたダベイビーは今年に入ってから国内外の複数のフェスティバルにブッキングされていたものの、先週末にシカゴで出演する予定だったロラパルーザ・フェスティバルなどを筆頭に、発言を受け、記事執筆時点で8つのフェスティバルへの出演がキャンセルされている。

 米Billboardによれば、ダベイビーはロラパルーザなどのフェスティバルの主催者たちに対し、今回の発言についての謝罪文を送付すると約束していたものの、謝罪文は送られてこなかったという。

マイリー・サイラスがダベイビーに手を差し伸べる

 ダベイビーは批判を受けても逆に煽るような態度を取るなどしてきたため、未だに“反省していない”などと彼を批判する声が相次いでいるのだが、今回、ダベイビーの騒動を受けてマイリー・サイラスが立ち上がり、彼に手を差し伸べることを表明している。

画像: マイリー・サイラスがダベイビーに手を差し伸べる

 マイリーはSNS上のキャンセル・カルチャー(※)によってダベイビーに反省や改心の機会が与えられないことを心配しているといい、ダベイビーに充てて「DMをチェックして!どうすれば、お互いに学び合ってより良い将来作りに貢献できるかを話し合いたい!」と呼びかけた上で、インスタグラムに次のように綴った。

※著名人や企業によって“問題”だとされる発言や行動があったときに、その問題の原因究明や解決を議論するのではなく、SNSを中心に集団で批判してその人や団体を「抹殺(キャンセル)」しようとする風潮のこと。インターネット上に残っていた今とは時代の状況が違う昔の情報が掘り起こされたり、批判が誹謗中傷へ悪化してしまったりと、そもそもの問題からさらに大きな問題へと発展してしまうことも多い。

 「LGBTQIA+コミュニティのプライドを持った忠実なメンバーの1人として、私は人生の多くを、愛や受容、心をオープンにすることを奨励することに費やしてきました。

 インターネットはヘイトや怒りに火を点けかねないもので、キャンセルカルチャーの中枢になっています。ですが、私はこの場所が、教育や会話、コミュニケーション、結束に満ちた場所にもなり得ると信じています。

 許しや思いやりの気持ちを見つけることや、心や考え方を変えるための時間を取ることよりも、誰かをキャンセルしてしまうほうが簡単です。私たちが進歩を望み続ければ、これ以上分断することはなくなるはずです! 知識は力です! 私だって、まだまだたくさん学ばなければいけないことを知っています!」

 先日、ダベイビーは改めて発表した謝罪文のなかで、「ソーシャル・メディアは動きが早くて、相手が成長や教育、そして自分の過ちから学ぶ機会を得る前にその人を破滅させようとしてきます」と綴り、キャンセルされることの辛さを打ち明けた上で、「HIV/AIDSについての誤ったコメントを謝罪しますし、このことについての教育が重要であることは認識しています」と綴っていた。

(フロントロウ編集部)

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