毎年10月11日は、国際ガールズ・デー。今日という日に知っておきたい、女の子たちのこと。(フロントロウ編集部)

女の子たちはどんな日常を生きている?

 女性は、“生まれる前から”女の子だからという理由で差別を受けている。

 そんな社会を変えて、女の子たちをエンパワーメントするために、国際NGOプラン・インターナショナルの働きかけで始まった10月11日の「国際ガールズ・デー」。この日に向き合うべき、女の子たちが生きる過酷な日常とは?


女の子だから、中絶される

 女の子に対する差別は、生まれる前から始まる。

 2020年に国連人口基金は世界人口白書を発表。そこで、男の子が欲しいという理由で中絶された女の子や、女の子だからという理由で生後間もなく放置され、“消失”した女性の数が、現在1億4千万人以上にのぼるという推定が報告された。

 つまり、日本の全人口以上の女の子が、“女の子だから”という理由で殺されたということ。

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女の子だから、売られる

 中絶などによって地域に女性の数が減り、男性が過度に増えると、女性を連れてくるために人身取引が行なわれることに繋がると指摘されている。また、貧困地域での人身取引は深刻な問題で、取引された女の子たちは、労働搾取や性搾取の被害に遭う可能性も高い。そしてそれは、望まない妊娠やHIV感染を引きおこしかねない。

 さらに、発展途上国では、なんと3人に1人の女の子たちが児童婚を強制されている。早すぎる結婚は、早すぎる妊娠・出産も引き起こすため、女の子たちは深刻な身体的負担を負うことに。

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女の子だから、自分の身体に決定権がない

 国連人口基金によると、新型コロナウイルスのパンデミックによって予期せぬ妊娠を経験した女性は140万人にのぼるという。もちろん、そのすべての女性が中絶を望む状況であったわけではないが、医療ケアへのアクセスの重要性や、パンデミックが女性に与える影響が明らかとなった。

 世界の一部の国では、法的な問題から女性たちがレイプされても中絶できない地域も存在し、10歳前後の女の子たちがレイプによって妊娠するも、中絶が認められずに出産したケースは複数の国で報告されている。

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女の子だから、生理の貧困を我慢しなければならない

 世界人口のおよそ半分が毎月経験している生理だが、生理用品は非課税でないどころか、多くの国で“ぜいたく品”として高い税率をかけられている。生理用品が充分に手に入らないことで学校を辞める選択をする女の子たちや、生理用品を得るために、深刻なリスクを背負って生活をしている女の子たちもいる。

 タンザニアの難民キャンプで暮らすブルンジ人の14歳の少女エンジェルは、「キャンプにいる女の子や女性にとって安全問題は本当に心配ですが、それでも多くは、ナプキンを買うために、森から薪を集めて売ることに頼っています。男性が森の中で私たちを追ってくることもあるので、安全なことではありません。私の友達もレイプされましたし、木を切ることは違法なので警察に捕まることもあります」と、プラン・インターナショナルにその現状を明かした。

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女の子だから、女性器を切除される

 WHOが健康上のメリットは一切ないと指摘している女性性器切除(FGM/female genital mutilation)は、いまだに世界約30ヵ国で行なわれているもの。一部地域の一部の女の子に対してだけかと思ってしまうが、FGMが最も行なわれている国ソマリアに住む5歳から11歳の女の子で女性性器切除をされた割合は98%に達する

 ユニセフによると、これまでに女性器切除をされた女性の数は2億人以上に上り、切除を受けた女性は、強い恐怖のトラウマ、長引く出血や感染症、生理痛、不妊、出産時合併症、そして死のリスクに直面している。

 そして新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、FGMから女の子たちを守る活動が中断されており、今後10年間でFGMをされる女の子と女性が200万人増える可能性があるとの指摘が発表された。

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女の子だから、教育はいらない

 これまでにあげたすべての問題を改善するためにも、女の子たちに知識を与え、自立性やリーダーシップを育む教育は非常に重要。しかしユニセフによると、世界で学校に通えていない女の子の数は1億2,900万人にのぼり、国連によると、世界における“非”識字人口では約3分の2が女性

 その理由には、女の子に教育はいらないといった考えや、幼い頃から家庭の仕事をしなくてはならない女の子は勉強に使える時間がないといった理由がある。

 教育は子どもたちの可能性を広げるだけでなく、自分たちが生きる世界を違う視点から見させて権利を主張する原動力を与える。ラオスで教師として働くChanthachone Vongphetさんは、プラン・インターナショナルに、「若い子たちはシャイでした。しかし今は自信をつけています。児童婚といったような問題についてどう議論すべきかも知っているんです」と話し、若者への教育の重要性を語った。

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国際ガールズ・デーとは?

 女性たちは生まれる前に差別され、生まれた後にも差別されている。

 国際ガールズ・デーは、女の子の権利や女の子のエンパワーメントを社会に広く呼びかける日。国際女性デーと混ざってしまう人もいるけれど、これまでに見てきたように、大人の女性たちになる前から、未成年の幼い女の子たちも差別を受けている

 そんな女の子たちの現実を知らせ、人々のアクションを導く。そして女の子たちが、「人生におけるあらゆる選択肢を自分の意思で選びとり生きていくために必要な力、男性と対等に家庭内や社会の意思決定に参画する力」を得られるようにエンパワーメントし、そのための多くの機会を作り出す。

 そんな熱い目的を持ったプラン・インターナショナルの働きかけによって、国際ガールズ・デーは国連で2011年に制定され、2021年10月11日に10回目を迎える。

画像: 国際ガールズ・デーとは?

プラン・インターナショナルってなに?

 国際ガールズ・デー制定のために尽力したプラン・インターナショナルは、世界70カ国以上で活動する国際NGOであり、国連に公認・登録された組織。日本においては、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンとして、内閣府から認定を受けている。その活動から、支援者の数は世界で約107万人、日本では約6万人にのぼる。

 著名人の支援者も多く、過去には大御所俳優イングリッド・バーグマンなどがサポーターだったが、現在でも、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で有名な俳優のレナ・ヘディやバルセロナオリンピックの金メダリストである元水泳選手のサマー・サンダースなどがアンバサダーを務め、日本でも、作家の角田光代や、俳優のサヘル・ローズなどがサポートを続けている。


プラン・インターナショナルの活動

画像1: プラン・インターナショナルってなに?

 プラン・インターナショナルは、貧困という問題に根本的に取り組むため、子どもや若者、地域の人々とともに地域全体の生活環境を向上させるための活動を展開。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れている。

 女の子のエンパワーメントに力を入れているプラン・インターナショナルの活動には、学校建設や給水設備の設置、教材支給といったハード面の支援だけでなく、ワークショップや意識啓発活動、トレーニングなどのソフト面の支援も。ドミニカ共和国でプラン・インターナショナルによる「性的搾取撲滅プロジェクト」に参加した女の子は、「自分を売らなくても、収入が得られることを知った」と話した。彼女は今、美容師として働いている。

 これらプラン・インターナショナルの活動を支援する寄付の種類には、女の子の問題を解決するための「ガールズ・プロジェクト」、女の子の可能性をのばし、豊かな地域をつくる「プラン・スポンサーシップ」などがある。

画像2: プラン・インターナショナルってなに?

ひとりひとりが出来ること

 女の子たちの権利は、日本を含む、この世に生きるすべての女の子たちが生まれながらに持つ権利だが、現実には多くの女の子たちがその権利を侵害されている。そして今年の国際ガールズ・デーのテーマは、「THINK FOR GIRLS~女の子たちが再び夢を描ける世界へ」新型コロナウイルスによって様々な面で女の子たちの生活がさらに脅かされている。そんな現状を改善するために、ひとりひとりができることは?

・毎年の国際ガールズ・デーに使われるハッシュタグである「#国際ガールズ・デー」「#女の子だから」を使って、ツイッターで投稿。
絵本『世界じゅうの女の子のための日 国際ガールズ・デーの本』を家族や友人へ贈ったり、プラン・インターナショナルとアーティストAkaneがコラボレーションして制作した寄付つきアイテムを購入。
・国際ガールズ・デーを制定するために働きかけた国際NGOのプラン・インターナショナルに寄付。

 世界中で懸命に生きる女の子たち。彼女たちを助け、エンパワーメントするために、国際ガールズ・デーとプラン・インターナショナルを応援したい。

画像: ひとりひとりが出来ること

(フロントロウ編集部)

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