現在イタリアで開催中のベネチア国際映画祭にて、映画『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が“新型コロナは映画を殺せない”と力強い発言をした。(フロントロウ編集部)

ベネチア国際映画祭が開催

 第78回ベネチア国際映画祭がイタリアのヴェネツィアで開幕した。現地時間9月1日から11日まで行なわれるこのアワードは、「カンヌ国際映画祭」、「ベルリン国際映画祭」と合わせて世界3大映画祭と呼ばれているアワードの一つ。

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 そんなアワードで、2019年公開の映画『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞やカンヌ国際映画祭などの名だたる賞を受賞したことで知られるポン・ジュノ監督が、韓国人として初めて審査委員長を務める。

 俳優のシンシア・エリボや映画監督のクロエ・ジャオらとともに会場に現れたジュノ監督は、本アワードの開幕を告げる記者会見で、昨今新型コロナウイルスのパンデミックによって世界中の映画館が閉鎖され、映画制作者たちが大きな打撃を受けていることに言及して、“コロナに映画は殺せない”というメッセージを発信した。

画像: ポン・ジュノ監督(左)、クロエ・ジャオ監督(右)

ポン・ジュノ監督(左)、クロエ・ジャオ監督(右)

 「ある意味で振り返ってみると、これは私たちに試練として与えられたもので、映画の生命力を示したような気がします」と語ったジュノ監督は、「映画監督としては、映画と映画の歴史がそんなに簡単に止められるとは思っていません。だからCOVID-19は過ぎ去りますが、映画は続いていくのです」と続けた。

 新型コロナウイルスはいまだ世界中で猛威を振るっており、日本でも医療の逼迫などで被害が拡大している。そんななかで行なわれているベネチア国際映画祭は、新型コロナウイルス対策のため、上映は定員の半分の人数で行なわれ、室内イベントでは全ての参加者にワクチン摂取の証明書の提示が求められ、マスク着用も義務付けられている。

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 今年の出品には、ペドロ・アルモドバル監督による映画『マドレス・パラレラス(原題:Madres Paralelas)』やジェーン・カンピオン監督による『ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ(原題:The Power of The Dog)』、マギー・ギレンホール監督による『ザ・ロスト・ドーター(原題:The Lost Daughter)』、パブロ・ラライン監督による『スペンサー(原題:Spencer)』などがノミネート。果たして最高賞である金獅子賞を獲得するのはどの作品か。(フロントロウ編集部)

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