Googleの研究・開発現場で起こった出来事
人間が作り出した人工知能が人類の敵になる…。名作映画『ターミネーター』の公開から、約40年。ここ数年で、音声アシスタントのアレクサやSiriなどを家に置く家庭も増え、“AI搭載”という謳い文句もよく聞くようになり、人工知能の存在はより身近なものとなっている。
Googleによって設立された研究開発組織であり、非常に秘密主義的で知られる「Google X (現:X)」の元最高業務責任者であるモー・ガウダット氏は、そんな人工知能の開発に早くから目をつけていた1人。
そんな彼だが、AIの研究・開発をしている時に、怖くて凍りついたという出来事があるという。米The Timesに明かした。
モー・ガウダットが人工知能に恐怖を感じた理由
当時、彼やAIデベロッパーが研究・開発に取り組んでいたのが、小さなボールを見つけ、つかみ上げることができるロボットの腕。最初は少しずつの進展だったそうだが、ある時、1つの腕がボールをつかむようになったそう。
しかもその腕は、ボールをつかみ、まるで自分の能力を見せびらかすかのように、研究員にそれを渡したという。自分の力を誇示したい、というような態度はまさに人間。そして彼は、機械がどれだけ早く物事を習得するのかということに恐怖を感じたと語る。
「そして突然、私は、これがすごく怖いことだと気がつきました。それは私を完璧に凍りつかせました。これの習得にかかったのは1週間ぐらいです。子供であれば2年かかることをですよ。機械は子供のようなものです。しかし、非常に、非常に早い子供です」
ここまでの発展が見られたのは、Google Xが超一流企業だからでもあるだろうが、世界の未来に影響を与える開発現場で、機械が人を怖がらせる出来事が起こったというのには鳥肌が立つ。
ガウダット氏は人工知能について、「私たちは神を作っている。それが現実です」と話した。また彼は、『ターミネーター』で人類を滅ぼしにかかる自我を持ったコンピューターのスカイネットのような存在は、避けられないものだともコメントしている。
果たして人類の未来は…?
(フロントロウ編集部)