10代の女の子が発症しやすい気分障害。女の子のメンタルヘルスに不調をきたす原因のひとつであるSNSの影響と上手な付き合い方とは。(フロントロウ編集部)

思春期の女の子に多い「気分障害」とは

 国際NGOプラン・インターナショナルの働きかけにより、女の子の権利を広く国際社会に呼びかける日として国連によって定められた10月11日の国際ガールズ・デーを記念して、フロントロウでは女の子が抱えるさまざまな問題に注目。今回は10代の女の子が発症しやすい気分障害と、女の子のメンタルヘルスに不調をきたす原因のひとつであるSNSの影響について解説します。

 性別や年齢に関係なく、誰でもうつ病や不安症になる可能性がある。しかし、10代では女の子の方が気分障害と診断される率が高い。その理由は専門家にもよくわかっていないが、米Child Mind Institueによると、女の子の方が感情の成熟が早いことなどが考えられるという。

画像: 思春期の女の子に多い「気分障害」とは

 気分障害は感情障害とも呼ばれ、アメリカの成人の約21.4%が人生のある時点で影響を受けていると言われている。米国精神医学会が発行している『精神疾患の診断・統計マニュアル』によると、気分障害は「双極性障害」と「うつ病」という2つのカテゴリーに分類される。

双極性障害

 双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」が繰り返される精神疾患のこと。「躁うつ病」とも呼ばれる。双極性障害の患者は、つねに症状が現れるわけではなく、躁状態でもうつ状態でもない、いわゆる普通の状態があることが特徴で、20歳前後の若年期に発症することが多いことが分かっている。

 双極性障害には「I型」と「Ⅱ型」がある。「I型」は社会生活に支障をきたすほどの激しい躁状態を引き起こし、夜も眠らずに動き回る、話が止まらない、大きな声で話しを遮られると怒る、などの突飛な行動を引き起こす。それに対し、「Ⅱ型」の躁状態は軽度であることが多い。社会生活における著しい支障はないため、本人が異常と捉えることはあまりなく、周囲が先に気づくことが多い。

うつ病

 うつ病は、持続的な悲しみや興味の喪失を引き起こす精神疾患で、感じ方や考え方、行動に影響を与え、様々な感情的・身体的問題を引き起こす可能性がある。症状が重くなると、仕事や学校、社会活動、人間関係などの日常生活に支障をきたし、自分でも理由がわからないまま惨めで不幸な気分になったり、生きている価値がないかのように感じたりすることがある。単に憂鬱な気分になるだけでなく、抜け出すことができなくなるのが特徴で、長期的な治療を必要とする場合が多い。

 10代では、悲しみやイライラ、否定的になり自分は無価値だと感じる、怒り、学校の成績や出席率の低下、誤解されていると感じたり、非常に敏感になったりする、娯楽用の薬物やアルコールを使用する、食べ過ぎたり寝過ぎたりする、自傷行為、物事への興味の喪失、社会的交流の回避などの症状が見られる。

イマドキ女子のメンタルヘルスに大きな影響を与えるSNS

 メンタルヘルスに不調をきたす原因はさまざまだが、イマドキの10代の女の子にとくに大きな影響を与えているのがインスタグラムなどのSNS。

 インスタグラムは、自社のアプリが若いユーザーにどのような影響を与えるかについて、過去3年間にわたってリサーチをしているが、その結果、かなりの割合のユーザー、なかでも10代の女の子にとってインスタグラムが有害であることを発見したという。

画像: イマドキ女子のメンタルヘルスに大きな影響を与えるSNS

 インスタグラムを利用する女の子の多くは、他人との比較に基づいて自分の価値、魅力、成功を判断している。インスタグラムを開くと、いわゆる“理想の外見”や“理想の体形”とされる人物の画像を嫌というほど目にするが、それが女の子たちのメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、自尊心を傷つけることに。

 インスタグラムがアメリカとイギリスの10代のユーザーを対象に行なった調査によると、自分に「魅力がない」と感じていると答えた人の40%以上が、インスグラムを利用するようになってからその気持ちが芽生えたと答えている。また、10代の女の子の約3分の1が、自分の体に自信が持てなくなったとき、インスタグラムを見て“さらに気分が落ち込んだ”と回答。実際、インスタグラム上の人と自分を比較することによって、摂食障害や身体醜形障害を発症してしまうケースも。

カギとなるのは“SNSとの付き合い方”

 SNSと距離を置くというのが一番の解決策だが、10代の女の子にとって友人との交流の場でもあるSNSを「一切使わない」というのはあまり現実的ではないだろう。

 まずは、インスタグラム等のSNSで目にするものに惑わされないためにも、学校の友達など、自分のまわりにいる人たちだけをフォローすること。多くの人は、インフルエンサーと呼ばれる人たちとの共通点がひとつもないにもかかわらず、自分と比較して、文化的にも金銭的にも手の届かないものを目指してしまう。それは自分のアイデンティティについて真剣に考えようとしている10代の脳にとって、良いことよりも悪いことの方が多いが、自分と同じような資質を持った人たちに囲まれた環境であれば、仮に比較してしまったとしても、自分にも手が届きそうだと感じられる可能性が高い。

画像: カギとなるのは“SNSとの付き合い方”

 また、決まった曜日や時間に短期間のデジタルデトックスをするのもひとつの手。デジタルデトックスはその名の通り、デジタル機器による悪い影響を体から取り除こうというもの。 スマホやPCから距離を置いて、それらのデジタル機器への依存を少なくするのが目的となっている。“夜の22時以降はSNSを開かないようにする”など、できる範囲で始めてみるといい。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.