銃乱射事件を防ぐための対策として、アイダホ州の中学校でリュックが禁止に。このブラック校則に、生徒たちが若者らしい自由な発想で反応して校内はすごいことに。(フロントロウ編集部)

銃を隠し持てないようリュック禁止に

 アイダホ州の中学校が、あるブラック校則を作った。この新しい校則のもと禁止されたのは、アメリカの学生にとって必需品であるリュック(バックパック)。その理由は、その少し前に、13歳の女子生徒がリュックに銃を隠し持っていたところを校内で発見される、という事件が起きたから。

画像: 銃を隠し持てないようリュック禁止に

 この件に対する生徒たちの反応を明かす前に、この問題の背景にある事情を伝えておきたい。

 校内で銃乱射事件が起きた場合の予行練習を定期的にやらされているアメリカの10代の間では、近年、マシンガンのような、大勢を殺せる銃の規制を求める声が増えている。2018年には、銃乱射事件が起きた高校の生徒たちを中心にした銃規制デモMarch For Our Livesが一斉に行なわれ、全米各地で総勢150万人前後が参加した。さらに、2018年に10代を対象に行なわれた調査では、6割が“銃規制の強化が銃乱射事件の減少につながる”と回答した。ただ2021年現在、そんな若者の声に大人側が応えられておらず、銃規制の法案整備は進んでいない。

 そんな背景もあり、規制すべきはリュックではなくてもっと別のことだ、と生徒たちは大反発。ティーンらしい自由な発想で対抗した。

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生徒たちが翌日持って登校したのが....

 ルールが制定された翌日、学校にはリュックの代わりとなる“入れ物”を持った生徒たちが次々と登校。その内容は、ショッピングカート、大型のゴミ箱、ベビーカー、水槽、ダンボール箱、おもちゃの車、洗濯バスケットなど、学校にあるべきではない物ばかり。

 しかも大きな“荷物”を持ってクラスやカフェテリアなど校内を歩き回るものだから、邪魔で仕方ない。この時の様子を映したTikTokの映像はまさにカオスだった。

 ちなみにこの動画を拡散したツイートのコメント欄には、大人世代から「かわいそうなお子ちゃまたち。私と同級生は、60年代にはバックパックなしでなんとか乗り切ったよ。ノートに本を重ねる方法を学んだね」などと小馬鹿にするようなコメントも入っていたが、それには、「今の世代が自分のように苦しまなければならないと思っている」「少なくとも(昔は)銃を持った見知らぬ人が自分やクラスメートを殺すのではないかという不安がなかった」といった反発が返されていた。さらに、「人を殺すのは銃ではなく人間」という銃規制反対派のスローガンをもじって、「人を殺すのは銃でも人間でもなくリュック」と、リュック禁止のブラック校則を揶揄する声もあった。(フロントロウ編集部)

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