海外で話題になっているアノ曲はなぜ人気? 気になるヒット曲の背景を調査! 記念すべき第1回に取り上げるのは、全米と全英のそれぞれのチャートで初登場1位を獲得した、6年ぶりとなったアデルの待望の新曲「Easy On Me」。(フロントロウ編集部)

アデルの新曲「Easy On Me」は離婚がテーマ

 曲中でも何度も繰り返される、楽曲のタイトルにもなっているフレーズ「Easy On Me」は、日本語で「大目に見て」「私に優しくして」を意味する。アデル(33)が楽曲のなかで「大目に見て」と呼びかけているお相手は、元夫サイモン・コネッキとの間にもうけた現在7歳の第1子アンジェロ。

画像: アデルの新曲「Easy On Me」は離婚がテーマ

 シングル「Easy On Me」は、11月19日にリリースされるサードアルバム『30』からの最初のリリースとなっているのだが、アデルはアルバム『30』について、アンジェロに彼の父親であるサイモンとの離婚について説明するために書いた作品だと明かしている。

 「このアルバムを通して息子に説明したいと思ったの。彼が20代か30代になった時に、私という人間や、私が自分自身の幸せを追い求めるために進んで息子の人生を解体した理由を説明したいって」とアデルは英Vogueに語っている。

 アデルによれば、アンジェロからは「どうしてパパのことをもう愛していないの?」と訊かれたこともあるそう。「私は、『あなたのパパのことは愛してるよ。ただ、愛し合ってはいないの』って答えた。9歳くらいの子供に説明することはできないんだよね」とアデルは語る。

 そんなアデルが現在模索するのは、自分の幸せ。「自分自身の幸せを求めるという、私が去ることを決めた理由を辿ることができれば」と英Vogueで語ったアデルは、次のように続けた。「もし私がその幸せを見つけて、幸せになった私を息子が見てくれたら、私は(離婚によって息子を傷つけた)自分自身のことを許してあげられるかもしれない」。

「Easy On Me」ではどんなことが歌われている?

 そんな「Easy On Me」は、元夫サイモンとの関係を「川」に見立て、そこに価値を見出せなくなったという、「この川には黄金はない」と歌われる歌詞から幕を開ける。

画像: 2013年、第55回グラミー賞授賞式に揃って出席したサイモン・コネッキとアデル。

2013年、第55回グラミー賞授賞式に揃って出席したサイモン・コネッキとアデル。

 サビの部分では、タイトルにもなっている「Easy On Me=大目に見て」というフレーズを繰り返しながら、アンジェロに向けて「私には機会がなかった」と訴えるアデル。この曲で一貫して繰り返されているのは、母親ではなく、1人の女性としてアデルが抱えてきた葛藤である。

 「自分自身を変えて、あなたたち2人を優先しようとした」と歌うアデルだが、最終的に選択したのは離婚。母親として、サイモンと一緒にアンジェロを育てていく術を探そうとはしたとアンジェロに伝え、そんな自分を「大目に見て」ほしいと、切実な思いが歌われている。

 「Easy On Me」のミュージックビデオはこちら。映画『マミー』や『たかが世界の終わり』といった作品で知られるグザヴィエ・ドランが監督を務めたこのビデオにも、工夫が凝らされている。ビデオは、アデルが荷物をまとめて家を出て行くシーンから始まるのだが、この家は、2015年にリリースした大ヒット曲「Hello(ハロー)」のMVに登場した家となっている。

 11月19日には、待望のニューアルバムとなる『30』のリリースも控えているアデル。前作『25』のシングル「Hello」のMVに登場した家からの出発は、幸せだった以前のフェーズに別れを告げ、自らの幸福を探すために新しい道を進んでいくことを示しているのかもしれない。

(フロントロウ編集部)

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