マイリー・サイラスが自身の歌声に寄せられてきた中傷を明かす
2020年12月に通算7作目となる最新アルバム『プラスティック・ハーツ』をリリースしたマイリー・サイラス。今月に2週にわたって米テキサス州で開催された音楽フェスティバルAustin City Limits(オースティン・シティ・リミッツ)でヘッドライナーを務めるなど、シンガーとして第一線で活躍し続けているマイリーだが、自身の歌声に寄せられる誹謗中傷に悩まされてきたという。
マイリーによれば、低い声が地声だというが、“女性は高い声であるべき”という偏見から、「どうして男みたいな声なの?」などといった中傷を寄せられてきたという。今回、米Interviewで行なわれたメタリカのドラマーであるラーズ・ウルリッヒとの対談で明かした。
「私は人生を通じて、それがボーカルトレーニングであれ、自分の技術に磨きをかけるためであれ、『どうして男みたいな声なの? あなたの(裏声を意味する)ファルセットはどこ? 『Party in the U.S.A』の時みたいな高いオクターブの声はもう出ないの?』ってずっと言われてきた」とマイリーは明かしている。
マイリーは、9月10日リリースされたメタリカのカバー・アルバム『メタリカ・ブラックリスト』でメタリカの名曲「Nothing Else Matters(ナッシング・エルス・マターズ)」の見事なカバーを披露しているのだが、マイリーいわく、「この曲では、低い音域で歌うことができたから、ありのままの純粋なサウンドを出すことができた」という。
ありのままの歌声で歌えたことを嬉しく思うとマイリー・サイラス
「私の声は、私を表しているもの。私はこの声で自分を表現している」とマイリーは続けて語り、自身の体験を次のように振り返った。「これまでに一緒に仕事をしてきた多くの人たちから、『高いパートを歌ってもらうために別のシンガーを呼ぶよ』って言われてきた。ご存知でしょうけど、『ファルセット(falsetto)』ってラテン語では、男の子が思春期になってもコーラスで歌うことを求められることを言うでしょ。『失敗(false)』っていう意味なの」。
「私の声は『失敗』なんかじゃない」とマイリーはラーズに語っている。「私は、女性たちが『こうあるべき』とされている歌い方でこの曲で歌わずに済んだことを名誉に思う。この曲の最後を聴いてもらえたら、グローブを外して、飛び立っていく私の声を聴いてもらえると思う。あのパートは人々の心を掴むものになっているよ。私の声はあれくらい低いの。あの曲でそういう音域で歌えたことを嬉しく思ってる」。
マイリーがエルトン・ジョンらと共に参加したメタリカの「Nothing Else Matters」カバーはこちら。
マイリーが経験してきた苦労を聞いたラーズは「そんなの異常だよ。この体験をいつの日かまたできるのを楽しみにしているよ」と応じて、マイリーの歌声をまた堪能したいと語った。(フロントロウ編集部)