グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーが、来年の第64回グラミー賞授賞式で多様性やレプリゼンテーションを重視することを約束した。(フロントロウ編集部)

グラミー賞がインクルージョン・ライダーを組み込むことを発表

 グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーが米現地時間10月19日、2022年1月31日に第64回グラミー賞授賞式を開催するにあたり、あらゆる水準で平等やインクルージョンを実現するための“インクルージョン・ライダー”を組み込むことを発表した。

画像: 2021年3月に開催された第63回グラミー賞授賞式で最多となる4部門を受賞したビヨンセ。

2021年3月に開催された第63回グラミー賞授賞式で最多となる4部門を受賞したビヨンセ。

 “インクルージョン・ライダー(Inclusion Rider)”は、俳優のフランシス・マクドーマンドが映画『スリー・ビルボード』で主演女優賞を受賞した2018年の第90回アカデミー賞で行なった受賞スピーチがきっかけで公に広まった言葉。元々は映画やドラマの現場で生まれたこの条項は、雇用やキャスティングにおける多様性を約束するためのもので、グラミー賞では、候補者や授賞式当日のキャスト、クルーを選ぶ際にこれまであまりレプリゼンテーションがなかった人々を積極的に選んでいくとしている。

 レコーディング・アカデミーの発表によれば、グラミー賞は、インクルージョン・ライダーに公に取り組む最初のメジャーな音楽賞になるという。グラミー賞はインクルージョン・ライダーを取り入れることでそのリーダーシップや独自性を明確化し、包括性やレプリゼンテーションを体現していくとしている。

 「音楽コミュニティが構造的な偏見に立ち向かっていくためのインクルージョン・ライダーを発表することを通じて、アカデミーがこうした変化をリードできることを誇りに思っています」とレコーディング・アカデミーでCEOを務めるハーヴェイ・メイソン・Jr氏は述べている。「これは始まりに過ぎません。我々は、多様な才能のパイプラインを構築し、レプリゼンテーションを大幅に変革していくために求められる取り組みに尽力して参ります」。

 今回のインクルージョン・ライダーを共に作成した、人権弁護士のカルパナ・コタガル氏は次のように述べている。「グラミー賞のインクルージョン・ライダーにはレプリゼンテーションや平等を改善していくのに欠かせない、4つの主要な要素が含まれています。『雇用の深化と多様化への取り組み』『雇用の基準とターゲット(を設定する)』『候補者と雇用のデータの分析と収集』『説明責任の対策の強化』です」。 

 第64回グラミー賞のノミネーションは米現地時間11月23日に発表される。(フロントロウ編集部)

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