有給育児休暇を取得したバイデン政権のピート・ブティジェッジ運輸長官が、育休取得を揶揄されたことについて反論した。(フロントロウ編集部)

ピート・ブティジェッジ、育休取得を「謝りはしない」

 アメリカの運輸長官であるピート・ブティジェッジ氏は、現在育休中。彼は同性愛者であり、9月初めに夫とともに双子の赤ちゃんを養子として家族に迎え入れたことを報告。そして育休を取得した。

 しかし彼の行動を、保守派のテレビコメンテーターとして有名なタッカー・カールソンが揶揄。「育休、彼らはそう言ってる。母乳をどうやってあげるか探っているんだろう。それがどうなったかは報告がないが」と発言し、これに対してブティジェッジ氏が反論した。彼はCNNの番組『State of the Union』で、こう話した。

 「タッカー・カールソンや他の誰にも、幼い双子の世話を見ていることを謝りはしない。私たちがしている仕事は幸福に満ち溢れ、重要なもの。そしてその重要な仕事は、すべてのアメリカ人が、新しい子供を家族に迎え入れた時に出来るべきです」

アメリカでは産休・育休が取りづらい

 日本では育休後の職場復帰が困難であることや、キャリア形成の問題が長年改善を求められているが、アメリカでは、州にもよるが、休みが取れないケースや、休みが取れても有給ではなく無給であるケースなどが問題となってきた。バイデン政権は子育てや教育の支援に関する予算計画や法案を進めており、アメリカ国内で有給の育休について議論が活発になっている。

 つい先日、アメリカ出身のメーガン妃親への有給育児休暇の義務づけに賛同する公開書簡を発表している。

 有給での育休を取得したブティジェッジ氏は米トーク番組『The View』にも出演し、ほとんどの場合で育児を担う状況にある女性たちが直面する現実にも言及。現在の社会の在り方や変化の必要性を語った。

 「もし、男性にも育休が許されているのに、実際にそれを使うことには難色を示すという考えがあるのであれば、私のような婚姻関係だけでなく、女性と結婚した男性の結婚においてもうまくいかないでしょう。それは、女性がすべての仕事をするという推定からなるものです。21世紀にそれは意味が通りません。
 私が思うに、育休は休暇だという文化的価値観がまだあるのではないでしょうか。
 運輸長官としての勤務日は、比較的普通の勤務時間に始まります。父親としての勤務日は、チャスティンがやっと眠ることができ、私の番が回ってくる最初の授乳時間である朝の3時に始まります」

画像: ピート・ブティジェッジ(左)と夫のチャステン・ブティジェッジ(右)。

ピート・ブティジェッジ(左)と夫のチャステン・ブティジェッジ(右)。

 さらにこの件は、ホワイトハウスの定例記者会見でも取り上げられた。保守派の記者からブティジェッジ氏の育休について質問されたジェン・サキ報道官は、こう答えた。

 「あなたがここで聞いているのは、男性や両親、女性が育休や産休を取るべきかどうかということだと思いますが、答えは、完璧にイエスです。それは現在の政権のポリシーでもあります。これは私たちが法整備を進めようとしていることで、この国の女性や両親、父親の現実です。私たちはそれを捨てることはしません」

(フロントロウ編集部)

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