俳優のアレック・ボールドウィンが主演を務める新作映画『Rust(原題)』の撮影現場で、銃の誤射により死傷者が出る事故が発生。共演者のジェンセン・アクレスは、事件の数日前、現場での銃の扱いについて語っていた。(フロントロウ編集部)

小道具の44口径マグナムリボルバーで撮影監督が死亡

 『ミッション:インポッシブル』シリーズで知られるアレック・ボールドウィンが主演を務める映画『Rust(原題)』のセットで起こった痛ましい誤射による死傷事件が世間に衝撃を与えている。

画像: 小道具の44口径マグナムリボルバーで撮影監督が死亡

 撮影監督のアリナ・ハッチンスが小道具の銃の誤射による事故で亡くなり、肩を撃たれて負傷したジョエル・ソウザ監督はサンタフェの病院に搬送された。

 アレックが助監督から安全な小道具だと言われ使用したものは、44口径マグナムリボルバー。ハリウッドでは、撮影用の小道具としてモデルガンではなく実銃が使われるのは一般的で、発砲時のリアル感を出すために火花などが出るように実弾を改造した弾が使われる。ただ、これでも十分に威力が強いため、前に立つ場合はシールドをやるなど気を付ける必要があり、厳重な注意が必要。

 そんな事件の数日前、共演者でドラマ『スーパーナチュラル』で知られるジェンセン・アクレスが、現場での銃の扱いについて語っていた。

ジェンセン・アクレス、現場での銃の扱いについて

 事件当日にキャスティングが発表されたジェンセンは、その前の週に開催されたファンイベントに出席し、映画『Rust』というタイトルは伏せながらも、新しい映画の撮影に入ることをファンに発表。

画像: ジェンセン・アクレス、現場での銃の扱いについて

 明日にはもう現場入りしなければならないと語ったジェンセンは、「朝6時に電話がかかってきて、明日は銃撃戦(の撮影がある)と言われた。その後銃を選ばされて『よし、どんな銃がいい?』って言われて、『わからないよ』って言ったら、兵器係が『銃の経験はあるか?』って言ってきたんだ」と語り、「僕が『少しだけ』と答えたら彼女は、『じゃあ、こうやって弾を入れて、こうやってチェックして、安全性を確認するの』と言ってくれた」と続けた。

 また、ジェンセンは「彼女は、『空砲を入れておくから、丘に向かって2、3発撃ってみて』と言った。それで僕は『わかりました』と答えた。ベルトを締めて、銃をそこに置いて、外に出たら、彼女が『ハンマー(銃の部品)を完全に後ろに引いて、ターゲットを狙うことを確認してね』って言ってきた。僕は『わかりました』と答えたよ」と、あまり銃の扱いに慣れていないふりをしたあとに、完璧に一連の動作をこなして見せたら、「あんた最低だね」と、呆れたように返されたことを振り返った。

アリナ・ハッチンスの死に悲痛なコメント

 事件の後ジェンセンは自身のインスタグラムで亡くなったアリナ・ハッチンスに追悼のコメントを投稿。

 「何から話していいのかわかりません」と始めたジェンセンは、「壮大な規模の悲劇であり、私たちはまだそのことを理解していません」と続けた。

 「先週の初め、僕はアリナに、彼女をどれだけ素晴らしいと思っているかを伝えたいと思いました。彼女のカメラショットがどれだけ素晴らしいか、彼女と彼女のチームの仕事ぶりを見るのがどれだけ刺激的かを伝えました。本当に。彼女は笑いながら『ありがとう』と言って、僕にハグしてくれた。僕はこの瞬間を持てたことを一生感謝します。彼女には気迫と情熱があり、それが上から下までクルー全員に伝染していました」

 そしてジェンセンは「彼女はインスピレーションの塊でした」とつけ加え、「アリナさんのご主人と息子さん、そしてご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。この悲しみは言葉では言い表せないほどです。彼女を知り、尊敬していたすべての人にとって、信じられないほど寂しいことになりました」と締め括った。

 最後にジェンセンは彼女の名を冠したAFIの奨学金基金と、Go Fund Meキャンペーンにすでに寄付をしたことを明らかにし、投稿を見たファンにも参加してほしいと声をかけた。(フロントロウ編集部)

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