『きかんしゃ トーマス』の模型を使ったオリジナルシリーズでは、トーマスのために作ったけどボツになった表情があった。(フロントロウ編集部)

子供の教育に使用されている、『きかんしゃ トーマス』の喜怒哀楽

 日本を含め世界中の子供たちに人気の『きかんしゃ トーマス』。イギリスで1945年に創刊した『汽車のえほん』を原作としており、映像作品からおもちゃまで多くの形で愛されている。

画像: 子供の教育に使用されている、『きかんしゃ トーマス』の喜怒哀楽

 そんな『きかんしゃ トーマス』は、機関車たちの多才な表情でも有名。鉄道模型を使用した人形劇だった時代から、主人公のトーマスだけで38個の異なる表情が制作され、さまざまなシーンに合った表情が使われた。

 欧米では、『きかんしゃ トーマス』は自閉症の子供たちに自分の気持ちや他人の気持ちを認識する方法を教える教材としても人気で、自閉症に関する著書を多く持つジョイス・ショウは、「機関車の顔がとてもシンプルで表情豊かなので『きかんしゃ トーマス』は素晴らしい」と著書のひとつでおすすめしている。

お蔵入りになったトーマスの表情とその理由とは?

 鉄道模型を使用した人形劇だった時代、機関車たちの表情は、まずは粘土で作ったものをシリコンで型取りして樹脂製の鋳型(いがた)にして作っていた。そして前述のとおり、人形劇時代に作られたトーマスの表情は全部で38個。ただ実際に映像で使われたのは、34個だったという。

画像1: シーズン12の表情参考資料。©TomsProps

シーズン12の表情参考資料。©TomsProps

画像2: シーズン12の表情参考資料。©TomsProps

シーズン12の表情参考資料。©TomsProps

 使われなかったのは、jovial(陽気)、snarling(トゲトゲしく物を言う)、frustrated(イライラ)の表情。シーズン6~12で監督を務めたスティーブ・アスクィスが著名なトーマス・コレクターのTomsPropsに語ったところによると、これらの表情が外された理由は、トーマスらしくないから。

 トーマスはいたずら好きでお調子者だが仕事熱心な機関車。熱心すぎてトラブルに巻き込まれることが多いが、すぐに気を取り直して明るく前向きに次の仕事に向かうタイプ。もちろん怒るときもあるのだが、実際の模型では非常に怖い表情に仕上がった“トゲトゲしく物を言う”と“イライラ”、そしてエヘヘと気持ち悪く笑っているようだった“陽気”は、トーマスがする表情ではないと判断されてボツになったという。

 ちなみに、お蔵入りになった4つ目は高齢者バージョンのトーマスだったそうだが、こちらはスタッフがギャグで作っただけだったとのこと。現代ではCGアニメーションへと変わった『きかんしゃ トーマス』。どんどん進化している今だからこそ、オリジナルの模型版の型などに注目してみるのは面白い。(フロントロウ編集部)

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(フロントロウ編集部)

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