アレック・ボールドウィンが主演を務める映画『Rust(原題)』のセットで起こった痛ましい死傷事件が世間に衝撃を与えている。本記事では、過去に死亡事故が発生した映画やドラマをご紹介。(フロントロウ編集部)

ハリウッド映画・ドラマ、深刻な事故は24年間で194件超

画像: ハリウッド映画・ドラマ、深刻な事故は24年間で194件超

 『ミッション:インポッシブル』シリーズで知られるアレック・ボールドウィンが主演を務める映画『Rust(原題)』のセットで誤射事件が発生。撮影監督のアリナ・ハッチンスが死亡し、映画業界に大きな波紋を呼んでいる。

 ハリウッド映画やテレビの撮影現場では、アクションシーンでスタントマンやスタントウーマンが怪我をしたり、小道具が故障して俳優が死亡したりするような事故が、ここ数十年の間に定期的に発生している。AP通信によると、アメリカでは1990年から2014年の24年間に、テレビや映画の撮影現場で少なくとも194件の深刻な事故が発生し、少なくとも43人が死亡しているという。

 過去には、いくつかの大作映画やドラマで死亡事故に繋がる事件が起きている。

映画『バイオハザード: ザ・ファイナル』(2016年)

画像: 映画『バイオハザード: ザ・ファイナル』(2016年)

 同名のゲームをもとに、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で大ヒットした映画『バイオハザード』シリーズの6作目である『バイオハザード: ザ・ファイナル』。スタントダブルのオリビア・ジャクソンは、2015年9月に南アフリカの撮影現場でバイクに乗った高速チェイス中に、カメラのアームと衝突し重傷を負い、2週間昏睡状態に。この事故により麻痺した左腕は2016年6月に切断された。そしてオリビアの事故の数日後、クルーのリカルド・コーネリアスは、彼が操作していた機材から滑り落ちた車両に圧迫されて死亡した。

ドラマ『ウォーキング・デッド』(2017年)

画像: ドラマ『ウォーキング・デッド』(2017年)

 大人気ドラマ『ウォーキング・デッド』でも死亡事故が。2017年7月13日、スタントマンのジョン・バーネッカーがスタント撮影中にバルコニーからコンクリートの床に約9メートル落下し、頭部を負傷。翌日に死亡した。その後遺族が放送局の米AMCを相手取り訴訟。陪審員は2019年12月19日、バーネッカーの家族に対し、バーネッカーの死について、『ウォーキング・デッド』シーズン8の制作を管理するAMCの制作会社StalwartFilmsに過失があったことを認めた上で、AMCの非を認め、9億4千万円(860万ドル)の損害賠償の支払い命じた。

『デッドプール2』(2018年)

画像: 『デッドプール2』(2018年)

 ライアン・レイノルズがマーベルヒーローを演じ、大ヒットを記録した映画『デッドプール』の第2作目。ザジー・ビーツが演じるドミノ役のスタントウーマンを務めていたジョイ・SJ・ハリスが、バイクスタント中にビルに衝突し死亡した。ジョイはアフリカ系アメリカ人女性として初のプロロードレーサーとなった人物で、ロードレースの経験は多かったものの、映画のスタントパフォーマーを務めたのはこれが初めてだったという。

『エクスペンダブルズ2』(2012年)

画像: 『エクスペンダブルズ2』(2012年)

 シルヴェスター・スタローン主演のアクション超大作『エクスペンダブルズ2』では、スタントマンのクン・リュウがゴムボートに乗り、爆発を含む危険なスタントシーンを撮影している最中に死亡。その事故では、1名が重傷を負っただけでなく、シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーも撮影後に肩の手術を受けた。

『ダークナイト』(2008年)

画像: 『ダークナイト』(2008年)

 クリストファー・ノーランが監督を務め、ヒース・レジャー、クリスチャン・ベールなどが出演した『ダークナイト』では、2007年にカメラマンのコンウェイ・ウィクリフが、スタントカーと並走している車に乗車していた際、90度のカーブを曲がり損ねて木に激突し死亡した。特殊効果コーディネーターを務めていたクリス・コーボールドは、自己の責任を問われ裁判にかけられたが、事件は事故とされ、コーボールドは無罪に。同作でクリスはアカデミー賞視覚効果賞にノミネートした。

『ホビット 思いがけない冒険』(2012年)

画像: 『ホビット 思いがけない冒険』(2012年)

 本作は人間の死亡事故ではないが、27頭もの動物が犠牲になり、当時「動物の倫理」という点で大きな問題に発展した。死亡した原因は主に飼育されていた農場の危険な環境にあった。山羊や羊が陥没穴に落下したり、馬が足を縛られたまま長時間放置されたり、過密状態の檻の中で暴れたことによって体が引きちぎられたり、ニワトリが飼い主のいない犬に襲われ死亡したりと、明らかに動物への虐待と見られる事例が多発。これを受け「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」が声を上げ、世界的な抗議活動につながった。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.