大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』で脚本&原案を務めたアンソニー・マクカーテンが、プロデューサーと制作会社を提訴したことが米Deadlineによって報じられた。報酬に関する契約違反があったと主張している。(フロントロウ編集部)

フレディ・マーキュリーの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』、報酬トラブル

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、2018年に公開された伝記映画。有名ロックバンド、クイーンのボーカルを務めたフレディ・マーキュリーの生きざまを描き、世界中で大ヒットを記録した。

画像: フレディ・マーキュリーの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』、報酬トラブル

 華々しい成功を収めた本作だが、この度まさかの「報酬トラブル」が発覚。

 本作の原案および脚本を手掛け、映画『博士と彼女のセオリー』や『2人のローマ教皇』といった著名な作品の脚本を執筆したことでも知られるアンソニー・マクカーテンが、報酬に関する契約違反があったとして、プロデューサーのグレアム・キングと制作会社のGKフィルムズを提訴したことが米Deadlineによって報じられた。

早くも泥沼化?

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、ディズニー傘下である映画会社20世紀フォックスのもと、グレアム・キングなどがプロデュースを務め、GKフィルムズなどを含む制作会社によって制作された。

画像: 脚本家のアンソニー・マクカーテン

脚本家のアンソニー・マクカーテン

 脚本家のアンソニーは本作の報酬に関して、ディズニー/20世紀フォックスとではなく、プロデューサーであるグレアムおよびGKフィルムズと直接契約を結び、その中で、本作によるGKフィルムズの「純利益」から5%の成功報酬を支払うことで合意したという。

 そして『ボヘミアン・ラプソディ』は、予算約60億5千万円(5,500万ドル)だったのに対して全世界で約1,000億円(9億1,100万ドル)の興行収入を記録。しかし、配給会社の20世紀フォックスが発表した会計報告書によると、56億1千万円(5,100万ドル)の赤字とされた。

画像: GKフィルムズのグレアム・キング

GKフィルムズのグレアム・キング

 ここで問題となっているのが、「純利益」という言葉の定義。訴状によると、アンソニーとGKフィルムズ側は契約時に“純利益”が何を意味するかという点を明確にしないまま契約したそうで、その結果、20世紀フォックスの利益計算方法が使われ、アンソニーには5%の成功報酬が支払われなかったという。アンソニーはこの点に関して、GKフィルムズが「標準的な定義」について「誠意をもって」交渉するという契約上の義務があったにもかかわらず、それが実現しなかったと強調している。

 一方で20世紀フォックスは、「GKフィルムズの標準的な『純収益』の定義ではなく、誠意ある交渉によって修正された『定義された純収益』の定義」によって利益が支払われるべきだと主張している。

 そしてGKフィルムズは、20世紀フォックスもしくはディズニーがこの訴訟の当事者になるべきだと主張しており、裁判は早くも泥沼化の気配を見せている。(フロントロウ編集部)

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