「1日2セントの罰金が111年分なので…」
米アイダホ州の州都であるボイシの公立図書館が、公式フェイスブックであるびっくりする報告を行なった。
図書館が公開した写真に写っていたのは、アメリカの小説家ケイト・ダグラス・ウィギンが1907年に出版した『レベッカの青春』。そしてキャプションには、こう書かれていた。
「1910年にボイシのカーネギー図書館で借りられた『レベッカの青春』が最近返却されました」
なんと、1910年にボイシの公立図書館で貸し出しされた同書が111年の月日を経て返却されたというのだ。図書館の言葉どおり、本の印字からは、1910年6月に同書が借りられたことがわかる。
そして図書館は続けて、こう綴った。
「1日2セントの罰金が111年分なので、この本を借りた人は803ドル(約9万円)を支払うことになります」
やはり、1世紀超ぶりに返却とあっては遅延金も凄まじい額。実際に本の表紙の裏には、「特段の表示がない限り、本は2週間借りることができます。延滞した本には1日につき2セントの罰金が課せられます」と、当時の図書館のルールが描かれている。
ただ、図書館からのコメントはこれで終わりではなかった。図書館は続けてこう語った。
「ボイシ公立図書館が罰金なしになっていて良かったですね!」
じつはボイシ図書館では、遅延金を恐れて利用を控える人が減るように、現在は遅延金の制度は撤廃している。つまり100年以上遅延したこの本も遅延金はゼロということ。図書館の歴史と進化が感じられる、なんともほっこりするエピソードだった。(フロントロウ編集部)