元ボンドガールのハル・ベリー
2002年にイギリスで公開され、5代目ジェームズ・ボンドであるピアース・ブロスナンの最終作となった映画『007』シリーズ20作目の『007 ダイ・アナザー・デイ』。
本作では、ハル・ベリーがボンドガールのジンクスを演じて話題にもなった。それから18年後の2020年には、ハルが劇中で見せたオレンジのビキニ姿を彷彿とさせる水着姿をふたたび披露して話題になったことも。
「1度ボンドファミリーになるとずっとボンドファミリー」だと話したこともあるハルにとって、『007 ダイ・アナザー・デイ』は良い思い出のよう。
そんなハルが米Vanity Fairのインタビューで話したところによると、彼女がシリーズへの出演を決めた理由は、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリの思いがあったという。
ハル・ベリーの思い出
バーバラは当時、ハルなら「新しいタイプのボンドガール」になることができ、それは「よりアクティブで、新しい方法でボンドと一緒に働く」タイプだと話したという。その方向性がハルに合っていたようで、彼女は当時をこう振り返った。
「『ボンド』シリーズはアイコニックなものだから、私はとても楽しみだった。映画の歴史の一部だから、このシリーズに参加することは私にとってとても意味のあることだった。そして、このボンドウーマンは、私がこれまで見てきたボンドウーマンとはまったく異なるものだった。バーバラ・ブロッコリが私にこの役を持ってきたとき、彼女は私が今までとは違う、新しいタイプのボンドガールになれると説明してくれた。それによって、私はよりアクティブになれたし、新しい方法でボンドと働くことができた。それは私にとってとても楽しいことだった。
でも他にも、素晴らしきウルスラ・アンドレスによるアイコニックなシーンを新たな方法で再現して、彼女や、このシリーズの本質に敬意を払うことも楽しかった」
『007』といえば、大人気アクションシリーズである一方で、女性キャラクターの描かれ方は長らく批判されてきた。『007 ダイ・アナザー・デイ』は約20年前の作品であり、ハルが演じたジンクスの描かれ方にもまた、批判されるべきポイントはある。
しかしそのジンクスであっても、当時は新たなボンドガールを表現しようという思いの元にデザインされたものだったことからは、物事が劇的に変化することは稀で、少しずつ発展していくものだと感じさせられる。
(フロントロウ編集部)