U-NEXTにて見放題で独占配信中のドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』。第2話は、シスターフッドと今後の伏線にあふれたエピソードだった。その他のエピソードのレビューは「AJLTレビュー」をチェックして。(フロントロウ編集部)

※この記事には『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』第1~2話のネタバレが含まれます

第2話からの隠れメッセージ

  • 葬式でキャリーに“恨み”はないと伝えてきたスーザン・シャロンは、ドラマ『SATC』シーズン2に登場したキャラ。キャリーの前で失礼な態度を取ったことがきっかけとなりモラハラパートナーと別れたものの、結局は復縁するという展開で登場した。スーザンがなぜビッグの葬式にきたのか、キャリーの何に怒っていたのかは謎だが、キャリーのあっけに取られた表情を見る限り、キャリー自身もわかっていないよう。
  • 購入を望んでいた超高級マンションのペントハウスを映画1作目で諦めたキャリーとビッグは、映画2作目では、そこよりも低価格な(とは言っても十分ハイクラスだが)マンションで暮らしていた。今作で登場した12Bという部屋番号からして、キャリーは今でも映画2作目の時と同じマンションに暮らしていることが分かる。

3人ではなく4人...女性たちのパーソナリティが出た葬式エピソード

 倒れたミスター・ビッグを見たキャリーが「ジョン!(※ビッグの本名)」と叫んだ声がまだ耳に残るなか、ビッグの葬式を中心に描かれた第2話は、女性たちそれぞれのパーソナリティとシフターフッドが色濃く出たエピソードとなった。

 夜に第一報を受けてすぐにキャリーの家にかけつけたミランダ。すべてを投げ出して寝泊りしながらキャリーを気遣い、葬式ではアルコールを手配したり弔辞を担当したりとテキパキと支える役に徹した。

画像1: 3人ではなく4人...女性たちのパーソナリティが出た葬式エピソード

 一方のシャーロットは、自分がキャリーをピアノの発表会に誘わなかったらビッグは助かっていたかもしれないと、自分を被害者にしてしまう。それにうんざりしたキャリーは一時的にシャーロットを避けるのだが、そこは信頼関係のある友達。最終的にははっきりとシャーロットの行為を指摘する。

 突然夫の葬式の喪主となったキャリー。彼女が斎場として選んだシックな会場、葬式で着たヴィンテージのブラックドレスからは、悲しみの中でも、大胆で自己流の生き方を貫くキャリー“らしさ”が出ていた。

 そして、サマンサの存在。花はいらないと言ったのに、棺のうえに花が飾られていることに憤慨したキャリー。しかしメッセージカードにサマンサの名前が書かれていることに気づくと、「そのままで」とひと言。カードを渡されてからわずか10秒ほどのシーンで、セリフはそれだけだが、シフターフッドは永遠であるというメッセージがものすごい威力で伝わり、温かい感情で心がいっぱいになる。

 ちなみにこの葬式のシーンの撮影は、演じるキャストにとっても個人的にエモーショナルな日だったという。20年以上知っているキャラクターとお別れしたこともそうなのだが、現実世界では、第3話を最後にがんで他界したウィリー・ガーソン(スタンフォード役)の病状がキャストに知らされたのが、葬式のシーンを撮影していた日だったそう。彼の病気についてキャストで知っていたのは、キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーのみ。しかしこの時すでに病状が深刻となっていたため、ほかのキャストにも伝えることにして、サラは「とても難しかった」とVultureで振り返った。ファンにとっては第3話がウィリーとのお別れになるが、ウィリーが最後にセットでの撮影に参加したのは第2話らしいので、スタンフォードとしての彼の最後の姿をしっかり目に刻んでほしい。

画像2: 3人ではなく4人...女性たちのパーソナリティが出た葬式エピソード

 また、葬式のシーンでは、ビッグの兄が登場する。「こんな人いたっけ!?」と必死に記憶を呼び起こそうとしたものの失敗した人はご心配なく。彼は本作で初めて出てきたキャラ。ドラマ『SATC』は、それまで一度も触れられてこなかった家族が唐突に登場することで知られていたが、新作でもそのスタイルは変わっていないよう。

今後の伏線と思わせるシーンが多数!

 そして第2話では、今後のストーリー展開への付せんが少しずつ見え隠れする。

 第1話で授業の前にバーに寄っていたミランダが、斎場では葬式が始まる前にひとりでバーボンを注文。この姿はアルコールの問題を暗示させた。そしてキャリーは、大切な人を失ったばかりの人としては当たり前だが、不眠に悩まされる。

 また、斎場のシーンでは、ミランダがチェ・ディアスと大ゲンカ。キャリーの上司であるチェとキャリーの親友であるミランダをあえて繋げたことは、チェが今後のエピソードでさらに重要キャラクターになっていくことを予感させる。

画像: 今後の伏線と思わせるシーンが多数!

 ちなみに、一部のファンの間では、2012年に同性と結婚したシンシア・ニクソン演じるミランダに男性以外とのロマンスを求める声がある。演者がLGBTQ+だからLGBTQ+を演じるべきだということではないが、ドラマ『SATC』では低かったLGBTQ+のポジティブなレプリゼンテーション(※)を新作では増やしてほしいという気持ちゆえの期待のよう。

レプリゼンテーション:映画・テレビでは表現のこと。

 『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』では、第1話でも第2話でも「昔のままじゃいられない」というセリフが使われただけに、新作ではメインキャストたちのライフスタイルや人生観を大きく変化が待ち受けることが予想される。それだけに、今後どんな驚きの展開になっても不思議ではない。

  ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』第1~2話は、U-NEXTにて見放題で独占配信中。毎週水曜日0時に新エピソードが1話更新され、第3話の配信は1月12日(水)となる。U-NEXTでは『セックス・アンド・ザ・シティ』全6シーズン及び映画2作も配信中。

(フロントロウ編集部)

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