女性差別・嫌悪を浴びせられた2016年『ゴーストバスターズ』
1984年に第1作目が公開された映画『ゴーストバスターズ』シリーズのブルーレイディスクをまとめたギフトボックスのアルティメットコレクションに、2016年に公開された女性版リブートの『ゴーストバスターズ』が含まれていないことが問題となっている。
アメリカで2022年2月に発売される予定で、現在はプレオーダーを受けつけているコレクションに含まれるのは、1984年公開の1作目と1989年公開の2作目、1985年にリリースされた書籍『Making Ghostbusters』と、日本では2022年2月に公開予定のシリーズ最新作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』、そしてボーナスコンテンツを焼いた2枚のディスクだという。
アルティメット(Ultimate)は「究極の」を意味する単語であり、そこから2016年の女性リブート版を排除したことに批判があがっている。
そして、女性リブート版といえば、女性差別や女性嫌悪な言葉を浴びせられた代表作のひとつとして有名。それは映画史に残る過激さだったと言えるほどで、YouTubeに公開された予告編はYouTubeにおいて最も低評価された動画のうちの1つとなっており、映画の予告編がそこまで低評価を浴びたことは異常だった。
また、メインキャストのうちの1人であるレスリー・ジョーンズは、黒人ということもあり、女性差別と黒人差別の両方をツイッターで浴びせられ、一時ツイッターアカウントを離れるまでに追い込まれた。
そんな背景もあるなかで、公式側がアルティメットコレクションから2016年版を外したことには批判があがっている。2016年版のポール・フェイグ監督はツイッターでソニー・ピクチャーズに向けて、このようなメッセージを送っている。
「うん…。ソニー・ピクチャーズ、これはなんらかの間違いであると分かってる。私たち(2016年版の作品には)にファンは多いし、(前作からの)ビル、ダン、アーニーも出演していて、その年のキッズ・チョイス・アワードでは“お気に入り映画賞”も受賞した。だから、これはただのうっかりだよね? # 私たちはみんなゴーストバスターズ」
Um … @SonyPictures, I know this must be a mistake. We do have a lot of fans and Bill, Dan and Ernie were in it and it won the Kids Choice Award for Best Feature Film the year it came out. So, I guess this was just an oversight? #weareallghostbusters �❤️ https://t.co/dI8TwJsG4I
— Paul Feig (@paulfeig) December 22, 2021
2016年版だけ抜かれたことは“差別などではなく映画が駄作だったから”とする声も一部であるが、『エイリアン』『ハロウィン』『ゴジラ』『ロッキー』『スター・ウォーズ』など多くのフランチャイズものが映画界にある中で、過去作をまとめたコレクション作品の中から1作だけ“良くなかったから”として抜かれることは通常ないことで、その違和感は認めざるを得ない。
『ゴーストバスターズ』アルティメットコレクションの発売までは、まだ少しある。適切な対応が求められている。
(フロントロウ編集部)