スタバのドライブスルーで行われていた“恩送り”に大迷惑
アメリカのスターバックスで、ドライブスルーを利用した男性が身に覚えのない「高額料金」を請求されるという出来事があった。男性が注文した商品の合計金額は実際には6ドル(約660円)だったのに、請求されたのは46ドル(約5,000円)だった。真っ先に疑うのは人的ミスだが、間違いではないという。では、一体何がどうしてこうなったのか?
欧米には、誰かから親切にしてもらったときにその人に恩返しするのではなく、別の人に恩を送ることで親切のバトンを渡す「ペイ・イット・フォワード(Pay It Forward)」という取り組みがあり、この男性がスターバックスを訪れたとき、まさにそれが行われていた。男性によると、彼の分の支払いは前の車の人が済ませており、男性は自分のうしろに並んでいる人の代金を代わりに支払うということになっていたそう。
日本でいうところの「恩送り」にあたるペイ・イット・フォワードだが、実際には6ドル分の商品しか購入していないのに、その7、8倍の代金を支払わされることになったら不満を感じるのは当然。さすがに納得がいかなかった男性は、車23台にわたって続いていた親切のバトンリレーを自分の番で終わらせることに多少の罪悪感を覚えつつも、支払うことを拒否したという。
近年、スターバックスにかぎらず、多くのファストフード店でペイ・イット・フォワードが再注目を浴びている。とくに、新型コロナウイルスによるパンデミックが起きてからその傾向が強まっているそうで、米ミネソタ州にある人気アイスクリーム店のデイリークイーンでは、2020年のホリデーシーズンに約900人の客が3日間にわたってペイ・イット・フォワードを継続させて、大きな話題になった。その一方で、今回のように最初は親切で始めたつもりが途中で迷惑になることもあり、トラブルになることも少なくない。(フロントロウ編集部)