※この記事には、『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン1のネタバレが含まれます。
大御所俳優が七王国の王役を断った理由
2011年から2019年にかけて放送された大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』では多くのキャラクターが登場し、多くの若手俳優が知名度をあげた。しかしじつは、あの王は実力派の大御所俳優が演じる予定だったという。
その王とは、七王国の王であったロバート・バラシオンで、演じる予定だったのはブライアン・コックス!
1960年代からイギリスの演劇界で活躍し、映画『ボーン』シリーズや『RED/レッド』などにも出演。最近ではドラマ『サクセッション』の主演としてエミー賞主演男優賞も受賞したブライアンは、酔っぱらいとはいえ七王国の王にぴったり。
サーセイ・ラニスターの夫でありジョフリー・バラシオンの父親であるロバート・バラシオンを、ブライアンならどう演じていたのかには興味が湧くが、彼は現実的な理由からオファーを断ることにしたと、GQに寄せた寄稿文のなかで明かした。
「最初にその役をオファーされた時には、言ってみれば、オファー額は良くはなかったんです。そして私は早くに殺されるのだったから、シーズンを重ねるごとに賃金が上がるような成功したシリーズにおける長い期間にわたる努力から得る恩恵は得られない。だから私はオファーを受けず、代わりにマーク・アディがイノシシに突かれることになったのです」
シーズン1にしか登場しなかった俳優といえば、エミリア・クラークが演じたデナーリス・ターガリエンの夫であるカール・ドロゴも思い浮かぶが、彼を演じたジェイソン・モモアにとっては『ゲーム・オブ・スローンズ』も知名度をあげるきっかけとなったため、シーズン1だけへの出演であってもメリットはあっただろう。
しかし若手俳優とは異なる立場にいたブライアンにとって、『ゲーム・オブ・スローンズ』への出演は困難なことだったよう。
ブライアンが明かす、アメリカとイギリスの違い
そしてブライアンは、さらに続けて、アメリカとイギリスにおけるエージェントの面白い違いを明かしている。
彼によると「お金問題はよくあること」だそうだが、「アメリカの制作会社はイギリスの俳優をアメリカの俳優と異なる扱い方をする傾向がありますね。他の言葉で言えば、彼ら(イギリスの俳優)を安く使うために」としている。
そしてアメリカとイギリスのそれぞれのエージェントは、制作陣と俳優の間で異なる対応を見せるそうで、「アメリカのエージェントは映画『グッドフェローズ』みたいなものです。“ファックユー。金を払え”ってね」とし、イギリスのエージェントは、「そうだね。制作陣はそこまでのお金は払えないようなんだ、ブライアン。制作陣はそんなにお金がないんだ。だから、もう少し安いギャラで出演できるだろうか?」といったような伝え方と頼み方をしてくるとのこと。
(フロントロウ編集部)