『オッペンハイマー』でキリアン・マーフィーが主演
世界的に非常にファンが多い映画監督のクリストファー・ノーランは、次回作で“原爆の父”として知られる物理学者のロバート・オッペンハイマーを描く。
『オッペンハイマー』には、ロバート・ダウニー・Jr.やフローレンス・ピュー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ラミ・マレック、ジョシュ・ハートネットなどが出演するが、主演を務めるのは、キリアン・マーフィー!
ノーラン監督作品に常連のキリアン
最近ではイギリスの大ヒットドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』の主演として人気を博すキリアンは、ノーラン監督作品の常連。
『ダークナイト』3部作ではジョナサン・クレイン/スケアクロウを、『インセプション』ではターゲットとされたロバート・フィッシャーを、『ダンケルク』では英国兵を演じ、メイングループに属さないが、重要で存在感のあるキャラクターを見事に表現してきた。
ノーラン監督作品にはほかにもマイケル・ケインといった常連俳優もおり、名脇役として存在感を放つ。キリアンもその立ち位置かと思いきや、『オッペンハイマー』では主演をオファーされるに至った。
キリアン、遂にオファーされた主演に喜び
英Esquireのインタビューで、オファーを受けるかどうかを迷ったかと聞かれたキリアンは、「オーマイゴッド、ノー!」と答え、オファーを受けるのは当然だったといった様子。そして、その喜びを語った。
「彼が私を主演としてキャスティングしたのはこれが初めてですから、まだ少し衝撃を受けています。でもワクワクしています。作品の大きな部分を担うことになりますし、多くの努力が必要です。でも思うに、存命の映画監督で最も素晴らしい人物の1人と働くわけですから、大丈夫でしょう」
キリアンが、『ダークナイト』ではバットマン役でオーディションを受けていたことを考えても、彼が今回のオファーを喜ぶのは納得。
ノーラン監督はSF作品を得意とするが、今回が実在した人物が主人公となる。その点についてキリアンは、もちろんネタバレは禁止されているとしたうえで、「この作品が他のものとは違うことは、すでに物語があり、実際に何が起こったのかをみんなが知っているということです。しかしクリスは、異なる方法でそれを話そうとしています。みなさんがクリスに期待するようにね」と説明した。
キリアン、本作での役作りは?
ノーラン監督の前作『TENET テネット』や、2014年の『インターステラー』など、彼の作品は難解だと言われることも多い。それは演じる俳優にとっても同じで、『TENET テネット』に出演したエリザベス・デビッキも、演じている時には全体を理解しようとはせず、1つ1つのシーンをこなすことにしていたと明かしている。
『オッペンハイマー』のストーリーラインがどのようなものになるのかは明らかになっていないが、キリアンもまた、量子力学を理解しようとはせず、それを使って科学者が何をしようとしていたのかを理解しようとしていると話した。
「豊富な資料があるので、全部読みます。量子力学は、人々が私のためにどれだけ努力し、何度説明してくれても、絶対に理解できません。それを理解できる頭脳の持ち主は、地球上の人口の0.0001パーセントしかいないのですから。しかし、そういった人々が何をしようとしていたのかという点については、コンセプトは理解し始めています」
キリアン主演で、豪華俳優たちが共演する『オッペンハイマー』は、2023年7月に全米公開を予定している。
(フロントロウ編集部)