夫を亡くした後の恋愛を描く『Blood』
2022年のサンダンス映画祭で、特別審査員賞のUncompromising Artistic Visionを受賞した映画『Blood』は、日本が舞台。
物語の主人公は、夫を亡くしたクロエ。日本へ旅行した彼女は、そこで旧友のトシと再会し、彼との関係に安心感を覚える。その安心感が愛に変わる時、彼女はふたたび恋をして良いのかどうかで葛藤する…。
ブラッドリー・ラスト・グレイ監督による本作は、彼の友人で俳優のミシェル・ウィリアムズの実体験にインスピレーションを得た物語。ミシェルは、2008年に元婚約者であり、娘マチルダの父親であるヒース・レジャーを亡くしている。
元々はミシェルが主演も務める予定だったが、彼女の心の傷をふたたび開けることは困難であり、主演はカーラ・ジュリに変更された。
� U.S. Dramatic Special Jury Award: Uncompromising Artistic Vision goes to Bradley Rust Gray for BLOOD. #sundance pic.twitter.com/r3kAdJDlBJ
— SundanceFilmFestival (@sundancefest) January 28, 2022
血という意味の『Blood』というタイトルはミシェルの夢に出てきた言葉だというが、グレイ監督はステートメントのなかで日本では血液型が大きな意味を持つことに触れ、“血”が持つ様々な意味が好きだと説明した。
「この映画のタイトルである「Blood」は、その言葉の定義についてではないと思います。曲のタイトルのようなものだと考えています。曲のタイトルというのは、必ずしもその曲の歌詞や何かを表現しているわけではなく、その曲を特定の空間に置くようなものだったりするでしょう。日本では、血や血液型は物事の1つの見方です。星座占いで相性のいい人を見つけるようなね。自分の血液型と、その血液型を持つ他の人が合う。ただ、目に見えないものなんです。“血”という言葉にはさまざまな意味があると思うのですが、その定義がひとつでないところが好きですね」
『Blood』の日米公開日は未定。
ちなみに、ミシェルはその後、いくつかの恋愛を経て、2020年3月に演出家のトーマス・ケイルと結婚。6月に、彼女にとって第2子となる子を出産した。
(フロントロウ編集部)