豪華絢爛なミステリークルーズ、『ナイル殺人事件』
2月25日に劇場公開となる映画『ナイル殺人事件』は、アガサ・クリスティによる推理小説『ナイルに死す』を原作とするミステリー。
逃げ場のない豪華客船のなかで名探偵エルキュール・ポアロが繰り広げる鋭い推理、犯人を含む乗客たちの心理的駆け引き、そして秘密…。ミステリー好きを興奮させる本作には、ケネス・ブラナーをはじめ、ガル・ガドット、エマ・マッキー、レティーシャ・ライト、ローズ・レスリーら豪華俳優が大集合した。
そして本作の魅力は、そのセットや衣装。衣装デザインを手がけたのは、2012年の『レ・ミゼラブル』や2015年の『リリーのすべて』でアカデミー賞衣装デザイン部門にノミネートされたパコ・デルガドで、本作では、「ホリデー中の喜びを表す衣装」および「当時の時代のハリウッド女優的な衣装」を制作したかったと言う。
米Below the Lineのインタビューで衣装のコンセプトを明かしたパコは、続けて、ガル・ガドットが演じたリネットの衣装をデザインする際に、インスピレーションとしていた人物を明かした。
「彼女のキャラクター(のイメージ)にロンバードを考えていると話しました。ロンバートの髪色はブロンドで、ガルはブルネットではありますが。ガルは、フランシス・フォード・コッポラに会った時に同じことを言われたと話してくれました。ガルはコッポラにロンバートを思い起こさせると。なので、『ビンゴ。その方向で進めないと』と思いましたよ」
彼が話したロンバートとは、1930年代から40年代にかけて活躍した銀幕のスターであるキャロル・ロンバード。
1934年の映画『特急二十世紀』で有名なキャロルは、33歳の時に飛行機事故で亡くなった伝説のコメディ映画俳優。夫は、『風と共に去りぬ』や『或る夜の出来事』で有名な名俳優のクラーク・ゲーブルであり、彼女の死によって、クラークは有名俳優でありながら第二次世界大戦で空軍に入隊したことは有名。
『ナイル殺人事件』のガルの姿は、もし彼女が白黒映画時代に生まれていても大スターになっていただろうと感じさせるほど雰囲気がぴったりで美しいが、そこには、衣装デザインを含むキャラクターデザインがあったよう。
ちなみにパコは、ジャクリーン・ケネディ・オナシスのスタイルや、そのカラートーンも参考にしたという。
『ナイル殺人事件』の美術デザインは出演俳優たちも絶賛しており、ルイーズ役のローズ・レスリーは、「インテリアや、私たちが入らないような客室まで、どれだけ細かく作りこまれているのかというのは驚くべきものでした」と話している。
『ナイル殺人事件』は2月25日に劇場公開。
(フロントロウ編集部)