『ターミネーター2』でT-1000を演じたロバート・パトリックが苦手なこととは?(フロントロウ編集部)

ロバート・パトリックが嫌いなこと

 1991年に公開された映画『ターミネーター2』は、そのストーリーも当然のことながら、30年以上が経った今見ても驚くほどにクオリティの高いVFX技術が、多くのファンの心を掴んで離さない理由の1つ。

 とくに、ロバート・パトリックが演じた液体金属型ターミネーターのT-1000は、ロバートの演技力もあって非常に人気が高い。

 しかし、じつは本作の脚本を初めて読んだ時のロバートの反応は、ポジティブはものではなかったよう。本人が、米/Filmのインタビューで明かした。

画像: ロバート・パトリックが嫌いなこと

 「本当に機械の進歩が嫌いなんですよね。iPhoneやコンピューターといったような物とは折が合わない。妻に感謝しています。私がすることを妻が助けてくれなかったら、それはできていなかったと思います。なにはともあれ、ビジュアルエフェクトなどについては、『ターミネーター2』の脚本を読んだ時には、5時間かかりましたよ。何が起こっているのか理解できなかったんです。“くそ。何?なんなんだ?”という感じで」


『ターミネーター2』におけるロバートの役割

 なんと、ロバートは機械嫌いであるうえ、ビジュアルエフェクト満載の本作の脚本も理解できなかった! 機械であるターミネーターを演じた俳優が機械嫌いとは皮肉なものだが、映画制作というものに対するロバートの理解は深く、それこそが彼によるT-1000に魅力がある理由の1つのよう。

 彼は本作のビジュアルエフェクトや、それぞれの能力や役割について、こんな分析を話した。

 「機械の進歩は嫌い」と話すロバートだが、インスタグラムは楽しんでいる。

 「(監督の)ジェームズ・キャメロンは限界を超えようとしていました。彼は自分ができること、その時可能だったこと、そしてもし(視覚効果アーティストの)スティーヴ・“スパズ”・ウィリアムズ、マーク・ディッペ、デニス・モラン、(VFXの制作会社)ILMにはっぱをかけたら可能となることを完璧に分かっていました。彼らにはっぱをかけ、映画『アビス』で使った液体の CGI を次のレベルに押し上げて、それを『ターミネーター』の液体金属に用いたら何ができるのかをね。

 彼はそれを使い、さらに(アーティストの)スタン・ウィンストンによるエフェクト、彼が持っていたアニマトロニクス人形や、私のキャラクターのためにデザインし、制作したアニマトロニクスを重ね合わせました。そして、実際のスタントや私の身体にも重ねられ、それらすべてがまとめられたものが、あの映画のエフェクトです。

 4つのパートからなっていた感じです。私、キャメロン、ILM、そして(視覚効果アーティストの)スタン・ウィンストン。4つの要素があり、私の仕事は、そのすべてを結びつけ、保ち、キープする方法を見つけ、キャラクターを前進させ続けることでした。私はキャラクターの顔でしたからね。それらによって、作品は今でも評価されているのだと思います」

 『ターミネーター2』における自分の役割は、様々な要素をまとめあげること。彼は見事にそれを達成したと言えるだろう。名作と言われる作品の裏には、非常にレベルの高い技術や理解があった。

(フロントロウ編集部)

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