『ハンニバル』マッツとヒューのキスシーン
2013年から2015年にかけて放送されたドラマ『ハンニバル』は、かの有名な猟奇殺人鬼ハンニバル・レクターをマッツ・ミケルセンが演じたことで有名。
スーツを着こなし、美食家であり、若き主人公のウィルを惑わす妖艶な魅力。ここまでマッツに完璧にフィットする役柄はあるだろうか。
そしてファンを熱狂させるのには、主人公のウィルを演じたヒュー・ダンシーの存在もあるだろう。マッツとウィルの関係性は物語のコアとなる部分だった。
そんな本作のプロデューサーであり脚本家のブライアン・フラーは、最終回で、2人のキスシーンを入れるかどうかを考えていたことを、米EWのインタビューで明かした。
「何度もシーンの撮影をしましたが、本当に唇を重ねたシーンはありませんでした。しかしマッツが口を開き、ウィルの口元らへんに被さるシーンはあり、その時は余韻が続きました。編集前の映像を見た時、それは永遠に感じられました。
私のなかで常にあった問題は、2人のラブストーリーを予想可能なもの、人工的なもの、強制的なものにしたくなかったということです。あの瞬間には、抱き合う以上の肉体的レベルを越しているか分からなかった。そして、抱き合い、寄り添い、お互いの目を深く見つめあうことのほうが、キスよりも真に迫ったロマンチックなものであると感じたんです。
しかし私がもしもう一度(あのシーンを撮影)するのであれば、2人にキスすることを提案し、それがどうなるかを見るかもしれません。彼ら(マッツとヒュー)もそうすることに怖気づくことはなかったですし。心配があるとしたら、それはいつでも、リアルなものかどうかという点についてでした。
(キスシーンは)当然私のゴールでした。なぜなら、イエス、私ももちろん彼らがキスするのを見たかったからです。それは僕たちのオカズになるでしょうね(笑)。(※)しかし、あの瞬間ではリアルさを追求していました。最終シーンは最もリアルだったと思うし、正しいバランスだったと感じました。しかし、もし編集室に戻れるのなら、今なら違うことをするかもしれませんね」
※ブライアンはゲイであることをオープンにしている。
2人の関係を描くうえでリアルさを追求したブライアンを含む製作陣。当時の判断に後悔はない様子だが、とはいえ、ふたたび撮影を行なうとしたらキスシーンを含むかもしれないと、ブライアンは思いを語った。
3シーズンを通してファンを魅了した『ハンニバル』。その最終回に、視聴者はどのような思いを抱いただろうか。
(フロントロウ編集部)