あの映画では、すべてのシーンでスターバックスのカップが置かれているのに気づいていた?(フロントロウ編集部)

スターバックスのカップがどこかにある

 おしゃれで味も美味しいとして、世界中で人気のスターバックス。そのスタイリッシュなブランドイメージから、ファッションが魅力の1つである映画『プラダを着た悪魔』や『セックス・アンド・ザ・シティ』でも登場する。

 しかし、ブラッド・ピットの主演作である、あの映画では“すべてのシーン”にスターバックスのカップが置かれていることに気がついただろうか? その映画とは、1999年公開の『ファイト・クラブ』

 エドワード・ノートンとブラッドがW主演を務めた本作は、様々な視点から現代社会を批判したもので、資本主義に深く関連する企業が重要な役割を果たす。スタイリッシュなイメージによって、映画のなかの小道具として登場することが多いスターバックスだが、本作ではネガティブなイメージから登場したよう。

画像: ©20TH CENTURY FOX / MORTON, MERRICK

©20TH CENTURY FOX / MORTON, MERRICK

 デヴィッド・フィンチャー監督は英Empireのインタビューで、過去にこう明かしている。

 「スターバックスは脚本を読んで、私たちがしていることを理解していました。そして少し面白いことをする準備もできていたんです。悲観的な企業のアート作品のなかで破壊されるコーヒーショップにその名前を使うことは出来ませんでしたが、物は提供してくれました。

 それを使用するのはとても楽しかったですよ。すべての場所に、すべてのシーンにスターバックスのカップがあるんです。個人的にスターバックスに対して何も(因縁は)ありません。良いことを行なおうとしていると思います。ただ、成功しすぎなんです」

スターバックスにマイナスイメージはつかなかった

 資本主義社会への皮肉のために使われると理解したうえで、カップを提供したスターバックスは策士とも言える。

 『ファイト・クラブ』は、公開直後は酷評され、興行成績も悪かったため、制作・配給会社20世紀フォックスの当時のCEOであるビル・メカニックの辞任の要因のひとつとなったほどだった。しかし現在では、カルト映画の代表的作品として高く評価される作品となっており、2007年に英TotalFilmが選ぶ人生における偉大な映画に選出され、2008年には英Empireが選ぶ偉大な映画500で10位に選ばれたほど。

 全てのシーンで登場したスターバックスのカップは、観客に嫌われるどころか、隠しネタとして人気のアイテムになったと言える。

(フロントロウ編集部)

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