生放送中に暴力事件を起こした俳優のウィル・スミスのオスカー返上の可能性も囁かれるなか、アカデミー賞の主催者が声明を発表した。(フロントロウ編集部)

アカデミー賞の主催者が「暴力反対」の姿勢を表明

 映画『ドリームプラン』でアカデミー主演男優賞を受賞したウィル・スミスの“オスカー返上”の可能性が囁かれるなか、アカデミー賞の主催者が暴力反対の姿勢を示した。

 ご存じの方も多いと思うが、現地時間3月27日に開催されたアカデミー賞授賞式で、プレゼンターとして登場したコメディアンのクリス・ロックが、ウィルの妻で脱毛症に悩むジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークするひと幕があり、そのことに激怒したウィルが、突如、壇上にあがってクリスをビンタするという事件が起きた。それでもなおウィルの怒りは収まらず、Fワードと呼ばれる放送禁止用語を使ってクリスを罵り、アメリカではその瞬間だけ無音で放送された。

画像: アカデミー賞の主催者が「暴力反対」の姿勢を表明

 妻を守ろうとしたウィルを擁護する声も多いが、いかなる理由があっても暴力は許されるものではない。ウィルに強烈なビンタをお見舞いされたクリスは警察に被害届を出すつもりはないとしているが、米The New York Postによると、MeToo騒動が起きて以来、アカデミー賞は行動規範に厳格なガイドラインを設けているそうで、同メディアは「暴力は暴力です。その場にいた全員がショックを受けましたし、居心地の悪いものでした。もちろん、ウィルはオスカーを返上したくないと思いますが、これからどうなるかは誰にもわかりません」という関係者の証言とともに、ウィルのオスカー返上について触れている。

 アワードを主催する映画芸術科学アカデミーは、ウィルの受賞直後に「主演男優賞は『ドリームプラン』で素晴らしい演技を見せたウィル・スミスに決定!おめでとうございます」とツイートしていたが、その約1時間後、ツイッターを通じて新たな声明を発表。

 「アカデミーはいかなるかたちの暴力も容認しません。今夜、私たちは第94回アカデミー賞受賞者を祝福します。彼らは、世界中の同業者や映画ファンからこの瞬間を認められるにふさわしい人たちです」

 暴力に反対する強い姿勢を見せた映画芸術科学アカデミー。一方で、今夜の受賞者を「認められるにふさわしい」とも祝福している。米メディアでは没収の可能性を報じているところもあるが、現時点では没収という決定はされていないよう。(フロントロウ編集部)

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