日本生まれイギリス育ちのミュージシャンであるリナ・サワヤマが、世界最大級の音楽フェスであるコーチェラのステージで、米・フロリダ州で成立したLGBTQ+に差別的な法案を批判した。(フロントロウ編集部)

「クィアの日本人で、イギリス人で、アジア人であることは誇り」とリナ・サワヤマ

 日本出身でイギリス育ちのミュージシャンであるリナ・サワヤマが、先週末に米・カリフォルニア州インディオで開催された世界最大級の音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」に出演。彼女にとっては初となる同フェスティバルでのステージを披露した。

画像: 「クィアの日本人で、イギリス人で、アジア人であることは誇り」とリナ・サワヤマ

 パンセクシャル(全性愛者)であることをカミングアウトしているリナは、LGBTQ+コミュニティにもファンが多く、そんなファンたちを祝福するために、パフォーマンス中のMCでは「ここにLGBTQ+コミュニティのメンバーはいる?」とオーディエンスに問いかける場面もあった。

 この問いかけにオーディエンスが大歓声で応えると、リナも「知っているかもしれないけど、私は誇り高きクィアの日本人で、イギリス人で、アジア人なの」と応じた。

リナ・サワヤマがコーチェラ・フェスで「ゲイと言ってはいけない」法案を批判

 続けて、リナは「でも最近、この国のクィアやトランスの人たちを標的にしたイケてない法案が成立してしまったの。どういうわけか、彼らは私たちに『ゲイ』という言葉を言ってほしくないみたい」と語って、今月に入ってから米・フロリダ州で成立した、通称“ゲイと言ってはいけない法案(Don’t Say Gay Bill)”として知られる、反LGBTQ+な法案に言及した。

 この法案は、小学校で性的指向や性自認について話すことを教師に禁ずるというもの。子供たちにとって、自分と同じような存在が社会にいることを知るのは大事なこと。しかし、自分と同じ性的指向や性自認に日頃から触れて育つ異性愛者やシスジェンダーと比較して、LGBTQ+の子供たちはその機会が低い。だからこそ、子供たちが1日の半分を過ごす学校で社会における多様性についてオープンに語り、知り、相談することができるのは大事なことなのだが、この法案はその機会を子供たちから奪うことになる。

 この法案に触れたリナは、「私たちがそのことについてどう思っているか、彼らに教えてあげない?」と観客に呼びかけ、「だから、私が『言って!』って言ったら、みんなは『ゲイ』と言って! いい?」とコール・アンド・レスポンスを促すと、「言って!」「ゲイ!」「言って!」「ゲイ!」という、リナと観客による連続シャウトが起こった。

 リナはその後、自身の「カミングアウト・ソング」である「Cherry」を披露。この曲では、「あなたに女の子の眼差しで見つめられた/あの日、すべてが変わった/それまでと同じではいられなかった」などという歌詞が歌われている。

 リナは今年のサマーソニックに出演することが決定している。(フロントロウ編集部)

当初、サマーソニックでのパフォーマンスを“日本初”と書いていましたが、2018年にも日本でパフォーマンスを行なっているため文言を削除しました。

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