他人に性的欲求を抱かない「アセクシャル(エイセクシャル)」とは。アセクシャルを公表する有名人5人の発言をご紹介。(フロントロウ編集部)

アセクシャル(エイセクシャル)って?

 アセクシャルまたはエイセクシャル(※)とは、恋愛感情の有無にかかわらず、他人に性的な魅力を感じないセクシャリティのこと。アセクシャルの中でも、ごく稀あるいは特定の状況下でのみ性的魅力を感じるグレー・アセクシャルや、誰かと強い感情的な絆を築いた後にのみ性的魅力を感じるデミセクシャルなどが存在する。
※“Asexual”という言葉は英語では「エイセクシャル」と発音するが、日本では「アセクシャル」という読みが使われることが多い。

 そして、性的な関係を一切持たないという人もいれば、性的な魅力を感じなくても性的な関係を持つことを選択する人もいるなど、それぞれ異なる。また、アセクシャルを自分の性的指向と考える人もいれば、性的指向の不在と表現する人もいる。

画像: アセクシャル(エイセクシャル)って?

 また、他人に恋愛感情を抱かない人はアロマンティックというが、アロンマンティックでありアセクシャルでもあるという人も存在。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のウィリアムズ研究所が2019年に発表した論文によると、性的マイノリティの成人の推定1.7%がアセクシュアルであるとされている。また、同研究所の調査によると、アセクシャルの人々は非アセクシャルのLGBTQ+に比べて性的活動は少ないが、親密な交際をしているという点では著しく大きな差はなかったとしている。

アセクシャルを公表している有名人

ティム・ガン

画像1: アセクシャルを公表している有名人

 ファッションデザイナーを発掘するオーディション番組『プロジェクト・ランウェイ』で、長年、司会兼メンター(助言役)を務めていたファッションコンサルタントのティム・ガンは、2011年に出版した自著『Gunn’s Golden Rules: Life’s Little Lessons for Making It Work(原題)』に、「私は男の子に興味がないことも、女の子に興味がないことも自分でわかっていました」、「私は長年、自分のことをアセクシャルと表現してきましたが、それが一番真実に近いと今でも思っています」と綴っている。


ヤスミン・ブノワ

画像2: アセクシャルを公表している有名人

 モデルや作家、活動家などマルチに活躍するヤスミン・ブノワは、自身がアセクシュアルであることをオープンに語っており、英Glamourに寄稿したエッセイで、「私はアセクシュアルでアロマティックの黒人女性として最高に幸せで満たされた人生を送っています。自分を完成させるためのパートナーは必要ないのです。なぜなら私は今のままでもじゅうぶん完成しているからです。だからこそ、私は自分のプラットフォームを使って、アセクシュアルの悪いイメージと戦い、誤解を払拭し、アセクシャルコミュニティに力を与える手助けをしているのです」と力強いメッセージを発信している。


デヴィッド・アーチュレッタ

画像3: アセクシャルを公表している有名人

 アメリカの国民的音楽オーディション番組『アメリカン・アイドル』出身でシンガーのデヴィッド・アーチュレッタは、自身のインスタグラムでLGBTQ+コミュニティの一員であることをカミングアウトすると同時に、「私は2014年に家族に対してゲイであることをカミングアウトしました。でも、男女どちらにも同じような感情を抱いていたので、バイセクシュアルの性質もあるのかもしれません。それから、私は普通の人ほど性欲や衝動が強くないことも知りました。結婚まで純潔を守ると決めているので都合がいいです。ちなみに、世間では性的衝動を感じない人をアセクシャルと呼ぶそうですと綴り、アセクシャルが自身のアイデンティティの一部であるとした。


ジャニーン・ガラファロー

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 映画『リアリティ・バイツ』やドラマ『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』シリーズなどの出演作で知られるコメディ俳優のジャニーン・ガラファローは、2019年にポッドキャスト『Dyking Out(原題)』で、「私が自分をアセクシャルだと言う理由は、昔から性欲がとてつもなく低いからです。私はこれまでセックスに駆り立てられたことはありません。してもしなくてもいいという感じでした」と打ち明けている。


マイキー・ニューマン

画像: ©︎Mikey Neumann/Twitter

©︎Mikey Neumann/Twitter

 過去にアセクシャルのレプリゼンテーションの欠如についてツイッターに投稿したこともある人気ユーチューバーのマイキー・ニューマンは、米The Mary Sueに寄稿したエッセイを通じて、「私はアセクシャルです。以前からそうでした。アセクシャルであることは、多くの場合、とても奇妙なこととして捉えられます。というのも、お気づきかどうかわかりませんが、私たちはとんでもない性風俗の世界に生きているのです。そのすべてに気づき、ときに圧倒されることもあります」と告白している。

(フロントロウ編集部)

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