写真を加工できないSNS「BeReal」が流行中
今やインスタグラムなどのソーシャルメディアでなくとも、スマホの写真アプリに加工機能が元々備わっているなど、撮った写真を少なからず加工することは一般的な時代となっているが、アメリカやイギリスなどのZ世代の間では今、撮った写真を加工することができないフランス発のソーシャルメディア・アプリ「BeReal」が流行している。
日本語版の提供もされているこのアプリの特徴は、「リアルになろう」という意味のアプリ名にも象徴されているように、加工のない“リアルな写真”しかアップできないという点。
公式サイトではアプリについて次のように説明されている。「毎日異なる時間に、2分以内に写真を撮ってシェアしてくださいという通知が友達全員に同時に届きます。それぞれの日々の生活で友達がどんなリアルな姿をしているのかを発見できる、新しくてユニークな方法です」。
アプリに関する情報サイトApptopiaによれば、2019年にローンチされたこの「BeReal」が今、大流行の兆しを見せているそうで、この1年間でユーザーが毎月315%ずつ増加し続けているそう。ローンチから現在までの総ダウンロード数の65%が、今年に入ってからダウンロードされたものだという。
また、米Social Media Todayによれば、アメリカ、イギリス、フランスにおいて、2022年の第一四半期から4月11日までに、インスタグラム、スナップチャット、ピンタレストに次いで4番目に多くダンロードされたアプリになっているという。
毎日異なる時間に、友達全員が同じタイミングで無加工の写真をアップ
「BeReal」のルールはとてもシンプル。アプリを使っている友達とグループになると、1日に1度、ランダムなタイミングで「2分以内に写真を撮って」という通知が届く。
その通知が届いたら、アプリを起動して、外側のカメラと内側のカメラの両方を使って、リアルタイムの自分の居場所と、セルフィーを撮影してアップ。撮影に使える時間は2分間で、この時間内であれば撮り直しが可能だが、前述の通り、写真の加工はできないため、ありのままのリアルな自分を写した写真をアップしなければならない。
ちなみに、この時には位置情報も友達に共有されるので、まさに、その時に自分がどんな表情をしていて、どこにいるのか、リアルな情報が友達に共有されることになる。一緒に使う相手は選ばないといけないが、撮り溜めたものでも、うまく演出したわけでもない、リアルな自分のライフスタイルを友達にシェアできることになる。
もちろん、インスタグラムやTikTok、ツイッターといった他のソーシャル・メディアと同様に、ユーザーは友達がアップした写真にリアクションすることもできるのだが、“いいね”や絵文字を使って反応することはできず、リアクションもまた、自分の表情を撮影して、「RealMoji(リアル文字)」としてその写真を投稿する形で行なう。
加工できないありのままの写真を毎日アップするこのアプリは、自分自身が投稿した過去の写真ももちろんストックされていくので、後で日記のように見返して思い出を楽しむこともできる。既に海外の若者たちの間で大流行の兆しを見せている「BeReal」は、iOS版とAndroid版が提供されている。(フロントロウ編集部)