ジョニー・デップが元妻のアンバー・ハードを名誉毀損で訴えた裁判で、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズへの未練を口にした。(フロントロウ編集部)

ジョニー・デップがジャック・スパロウ役への無念を語る

 私生活で問題を抱えていることを理由にディズニーから一方的に関係を切られたと主張する俳優のジョニー・デップが、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで自身が演じたジャック・スパロウと「ちゃんとしたお別れ」がしたかったと法廷で語った。

 これまでにディズニーがジョニーのシリーズ降板に言及したことはなく、本人に直接クビを言い渡したこともないが、ディズニーが続編を制作にするにあたってジョニーのシリーズ復帰に難色を示しているのは公然の事実となっている。

 現地時間4月25日、元妻で同じく俳優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴えた裁判で再び証言台に立ったジョニーは、「キャプテン・ジャック・スパロウは、私がイチから作り上げたキャラクターで、私の多くをこのキャラクターに注ぎこみました。そして、自分と同じように熱意を持った人たちと一緒に作品に取り組み、自分で考えたセリフやシーン、ジョークを盛り込んだり、(台本を)書き直したりすることも多々ありました。ディズニーとは長い付き合いで、関係はうまくいっていたのに、突然、“無実が証明されるまでは有罪”というスタンスに変わって、正直、理解できませんでした」とディズニーへの失望を口に。

画像: ジョニー・デップがジャック・スパロウ役への無念を語る

 さらに、「私の気持ちとしては、このキャラクターとちゃんとしたお別れをするべきだと思いました。フランチャイズは長くは続かないものです。そんなフランチャイズの終わらせ方があります。フランチャイズをとても良いかたちで終わらせるためにも、キャラクターに出口を作ってあげることが必要だと思いました。そして、私自身はやめるときが来るまで続けるつもりでした」とも語った。

 ご存じのとおり、2017年公開の『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』以来、続編は制作されていない。ジョニーによると、前作が公開されたあと、ディズニー側から次回作の脚本に参加するよう打診を受けたというが、現在、このプロジェクトは「宙ぶらりん」の状態になっているという。

 ちなみに、ジョニーは、今回の名誉毀損裁判の発端である2018年に米Washington Postに掲載された論説(※)が原因で、ディズニーは自分と縁を切ることにしたと主張しているが、アンバーの弁護団はジョニーとディズニーの関係は論説が掲載される前から破綻していたと考えており、実際、ジョニーが『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズに対する不満を綴ったメールを2015年3月に当時のアシスタントに送っていたことも明らかになっている。メールを送ったことはジョニー本人も認めており、“脚本がいい加減だったことに対して怒りをぶつけてしまった”と法廷で弁解している。
※この論説を執筆したアンバーはジョニーの名前こそ出さなかったものの、自身がドメスティック・バイオレンス/家庭内暴力のサバイバーであると主張すると同時に、2年前に告発したDV(=時期からして加害者はジョニーであることが推測される)の詳細を明らかにした。

 また先週、証言台に立った際にアンバーの弁護士から「ディズニーが3億ドルと100万頭のアルパカを連れてやってきたとしても、ディズニーと『パイレーツ・オブ・カリビアン』の続編を作るつもりはないということですか?」と聞かれたジョニーは、「そのとおりです」と答えており、続編への希望を見せた25日の裁判での証言とは対照的な姿勢を示していた。(フロントロウ編集部)

※アルパカがアルカパとなっていたため修正しました。

This article is a sponsored article by
''.