リリー・ウォシャウスキーとラナ・ウォシャウスキーが、過去に手掛けた様々な作品の秘蔵グッズをオークションに出品。そのなかには、日本アカデミー賞から贈与されたものも。(フロントロウ編集部)

ウォシャウスキー姉妹が100を超える商品を売りに出す

 映画『マトリックス』シリーズやドラマ『センス8』などで知られる監督のウォシャウスキー姉妹ことリリー・ウォシャウスキーとラナ・ウォシャウスキーが、彼女たちが持つ倉庫の掃除中に見つけた秘蔵グッズをオークションに出品した。

 リリーがツイッターに書いたところによると、これらのグッズは「私たちが何年にもわたって集めてきた最高の宝」だそうで、たしかにそのラインナップは豪華。映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のポスターや『ニンジャ・アサシン』でスタントダブルが着用した衣装、『マトリックス』のコンセプトアートやフィギュア、ドラマ『センス8』の撮影で使用されたカチンコといった品々となっており、作品のファンからすると喉から手が出るほど欲しいグッズとなっている。

 また、2人の作品に関するものではなく、個人的に集めたとみられる1972年の映画『子連れ狼』や1996年の映画『モスラ』のポスターといった映画グッズも確認できる。そしてそのなかには…、2000年の第23回日本アカデミー賞で姉妹に授与された賞状とトロフィーも!

画像: ©auctions.potterauctions

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 この年の日本アカデミー賞では、最優秀外国作品賞に『シックス・センス』、『エリザベス』、『恋におちたシェイクスピア』、『ライフ・イズ・ビューティフル』、そして『マトリックス』がノミネートされていた。最終的に『シックス・センス』が受賞となったが、その他の作品は優秀外国作品賞となり、賞状とトロフィーが贈られた。

 サイトに公開された賞状の写真には、「ワーナー・ブラザース映画殿」と書かれたうえで、『マトリックス』が優秀外国作品賞に選ばれたと記されている。サイトに載せられた商品説明によると、トロフィーの高さは約25cmだそう。

 賞状とトロフィーのセットは、現在までに5人から入札があり、当初の最低落札価格は約2万6,000円(200ドル)だったが、現在は約4万円(325ドル)となっている。

 姉妹はこの他にも、英Empireの最優秀作品賞やジュピター賞、MTVムービー&TVアワード、サターン賞による最優秀監督賞のトロフィーなどを一挙に出品しており、賞への執着のなさを感じさせている。

ウォシャウスキー姉妹がオークションに出品した理由は?

 そして、ウォシャウスキー姉妹がオークションに100を超えるグッズを出品したのには、ある理由がある。リリーはオークションへの出品を発表したツイートで、こんなメッセージを綴った。

 「何が最高かって、すべての落札金はProtect & Defend Trans Youth Fundに寄付されること。かっこ良いものを買って、トランスジェンダーの命のために立ち上がって!」

 彼女が寄付を約束し、URLを載せたProtect & Defend Trans Youth Fundは、じつはシンガーのアリアナ・グランデが3月31日の国際トランスジェンダー認知の日に寄付プラットフォームのPledgeと共同で立ち上げたもの。

 ウォシャウスキー姉妹は2人とも生まれた時に割り当てられた性別は男性だが、現在は女性となり生きており、男性監督として『マトリックス』3部作を制作した過去を持つトランスジェンダー当事者であり、これまでにトランスジェンダーの人々の人権を守るためにも様々な活動を行なってきた。アーカンソー州でトランスジェンダーの若者にヘルスケアを受けさせない法案が可決され、それに対して裁判が起こった時にも、リリーは第三者意見を提出している

画像: リリー・ウォシャウスキー

リリー・ウォシャウスキー

 また、その他にもフロリダ州では「ゲイと言ってはいけない法案(Don't Say Gay bill)」が可決されるなど、ここ数年でトランスジェンダーの若者の人権を制限する流れが発生していると言える。Protect & Defend Trans Youth Fundの趣旨説明には、こう綴られている。

 「現在、アメリカ中でトランスジェンダーの若者をターゲットにし、その権利を抑えこもうとする州法の法案が数百にわたって待機しています。トランスジェンダーの人々やその家族、愛する人々は、これらの反トランスジェンダー法案や政策と闘うことの影響を1 年を通して感じています。トランスジェンダーの若者へ直接の支援をし、アメリカで反トランスジェンダーの政策のターゲットにされている州に住むトランスジェンダーの若者の人権のために声をあげている団体に必要な資金を提供するこの募金に、私と一緒に寄付をしてください」

(フロントロウ編集部)

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