『ドクター・フー』の14代目ドクターに、チュティ・ガトゥが決定! ドクターを演じる初の黒人俳優である彼は、過去にホームレスだったこともある異色の経歴を持つ。(フロントロウ編集部)

14代目ドクターは、チュティ・ガトゥ!

 イギリスで1963年から続く長寿ドラマ『ドクター・フー』の14代目ドクターに、Netflixドラマ『セックス・エデュケーション』のエリック役で有名なチュティ・ガトゥが決定したことが発表された。

 『セックス・エデュケーション』のレギュラーであり、4月下旬にはマーゴット・ロビー主演の映画『バービー』にも出演することが発表されたばかりのチュティ。飛ぶ鳥を落とす勢いの彼は、公式コメントで、「この役とドラマは、僕自身を含む世界中の多くの人にとってとても意味のあるものです。そして僕の前の歴代ドクターはそのユニークな責任と特権に細心の注意を払い、担ってきました。僕も同じように努力していきます」と意気込みを語った。

 そして5月8日に開催されたBAFTA TV Awards(英国アカデミー賞テレビ部門)のレッドカーペットでは、本人がついに口を開いた。

 「感動的です。泣きながら起きて、そして踊り始めました。これがついに発表されて、もう秘密にしなくて良いことが嬉しいです。僕はそれ(秘密にしておくこと)が下手なので」

25歳の頃にはホームレスを経験しているチュティ

 ルワンダ生まれ、スコットランド育ちのチューティは、彼の成功のきっかけとなった『セックス・エデュケーション』のオーディションに合格する前には、ホームレスとなっていたことを、ビッグイシューで2020年に明かしている。

画像: 25歳の頃にはホームレスを経験しているチュティ

 お金も仕事もなかった時、友人の1人が自宅の空いている部屋に滞在させてくれると話したが、当日になってその友人は考えを変えたという。チュティは当時を振り返り、「道でスーツケースを持って立っていた時、ひとつの思いが頭に浮かんだ。“僕はホームレスだ”」と綴っている。

 その後、友人と1つのダブルベッドをシェアして生活していたといチュティ。彼は高級デパートのハロッズで働いていたため、身だしなみは完璧で、1日1食しか口に出来ず痩せていった時にさえ、引き締まっていて健康的な外見だと褒められたという。

 そんな彼が、黒人俳優として初めてドクターに抜擢されたことは、多くの人にとって意味のあることだろう。

ラッセル・T・デイヴィスが13年ぶりに復帰

 また、チュティのニュースは、2009年を最後にドラマから離れていたショーランナーのラッセル・T・デイヴィスが復帰するという発表に伴うものだった。

 腕利きショーランナー、そして脚本家として知られるラッセルだが、チュティはそんな彼すらも魅了したようで、BAFTA TV Awardsのレッドカーペットでは、「素晴らしいオーディションでした。彼はオーディションで最後の人物だった。別の人物が有力候補としていたのですが、そんな時に彼が来てね。その人は残念ながら知ることはないでしょう」という裏話も告白。

画像: ラッセル・T・デイヴィスが13年ぶりに復帰

 そして、14代目ドクターの発表が世間を驚かせたことについて、「この秘密を3ヵ月ほど隠していました。誰も気づかなかった。何も流出されなかった。誰も予想すらしていなかった。彼は本当に素晴らしいし、人気者で、疑いようもなかった。だから私たちは少し勝利した気分になっていますよ」と語った。

(フロントロウ編集部)

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