アナ・ウィンター、『プラダを着た悪魔』を知った時に…
2003年にローレン・ワイズバーガーが発表してベストセラーとなり、2006年にアン・ハサウェイ主演で公開された映画は世界的大ヒットを記録した『プラダを着た悪魔』。ファッションセンスのなかった主人公のアンディが、メリル・ストリープ演じるファッション業界の重鎮で鬼編集長のミランダの下で切磋琢磨する様子を描く本作は、原作者のローレンが実際に勤務していたアメリカのファッション雑誌Vogueの編集部や、名物編集長のアナ・ウィンターがモデルだと言われている。
公式にはアナがモデルであることは否定されており、メリルは演技の参考にしたのはアナではないと明かしているのだが、とはいえアナとミランダの雰囲気はそっくりだったり、セットデザイナーはVogueのアナのオフィスに潜入して参考にしていたりするため、多くのファッション好きにとっては、アナがモデルであるというのは公然たる事実となっている。
そして、それが事実であっても、そうでなかったとしても、『プラダを着た悪魔』が出版される前には、本の存在はアナの耳に入っていたという。エイミー・オデールによって書かれたアナの伝記『Anna: The Biography(原題)』には、米出版社のダブルデイが『プラダを着た悪魔』の権利を購入したというニュースを聞いた時にアナが発した一言が明かされている。
「その女の子が誰だか覚えてない」
なんとも“ミランダ”らしい反応! さらに、伝記によると、映画のプレミアに参加したアナの娘は、「ママ。みんなはママのことを本当に理解してるね」と反応していたそうで、少なくともミランダが“アナっぽい”というのは家族も認める事実。ちなみに、つまらない作品では中座することも多いアナだが、本作は最後まで鑑賞し、そしてイベントにはプラダの洋服を着て参加していた。
伝記についてVogueのスポークスパーソンは、「『Anna: The Biography』はアナの参加なしに書かれ、残念なことに、そのなかで書かれたこと全てについてファクトチェックをする機会は得られませんでした」と発表しているが、当時のアナは少なくとも似たような反応はしていそう。
(フロントロウ編集部)