MCUでワンダを演じているエリザベス・オルセンが、「マーベル映画はシネマじゃない」論争にコメントし、こうした議論に憤慨していることを明かした。(フロントロウ編集部)

巨匠たちが発端の“マーベル映画はシネマか?”論争

 MCUの最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』にスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ役で出演しているエリザベス・オルセンが、マーティン・スコセッシ監督の発言がきっかけとなって議論が巻き起こることとなった“マーベル映画はシネマか”論争にコメントした。

画像: 巨匠たちが発端の“マーベル映画はシネマか?”論争

 ご存知の方も多いと思うが、この論争は、映画『タクシードライバー』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などで知られる映画界の巨匠であるマーティン・スコセッシ監督が、2019年に「あれ(マーベル映画)はシネマだとは思わない。正直、マーベル映画はテーマパークのような感じで、感情的・心理的体験を他の人に伝えようとしている人間の映画ではない」と批判したことをきっかけに巻き起こったもの。

 スコセッシ監督の意見には、映画『ゴッド・ファーザー』のフランシス・フォード・コッポラ監督や、映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』のケン・ローチ監督といった巨匠が賛同した一方で、MCUに携わってきた俳優たちはもちろん、MCU映画を擁護。

 今年に入ってからも、スパイダーマン役のトム・ホランドが「どちらも本物のアートだと思う」と述べてスコセッシ監督の見解に異論を唱えたほか、ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンは「心を動かされるために映画館へ行く人たちもいますし、スーパーヒーローが好きな人たちもいます」と語って、映画ファンが好むものは一人一人違うはずだとコメントした。

エリザベス・オルセンが“マーベル映画はシネマか?”論争にコメント

 そうしたなか、今回、ワンダ役のエリザベス・オルセンが英The Independentとのインタビューで“マーベル映画はシネマか?”論争にコメント。

 こうした議論のなかでマーベル作品が「劣ったタイプの芸術のように思わされてしまう」ことに憤りを感じていると明かした上で、「私たちがインディーのアート・フィルムを作っているとは言いませんが、クルーたちから(功績を)奪ってしまうようなことだと私は思っていますし、癇にさわります」と、作品を共に作っているクルーたちの功績が軽視されてしまうことに特に憤慨していると語った。

 「(作品のスタッフには)最も素晴らしいセット・デザイナーやコスチューム・デザイナー、カメラ・オペレーターたちがいます。そうした類の批判は、アワードを受賞するような映画に取り組むと同時に、これらのプロジェクトにも取り組んでいるすべての人たちの功績を奪ってしまうものだと思います」。

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 一方で、俳優としては、“シネマではない”という意見も理解できるところはあるとして、「1人の俳優としての観点から言えば、理解することはできます。ここでは違った類の演技が行なわれていますし、そうしたことについては理解しています」とエリザベス。

 その上で、「ただ、マーベル作品をバッサリと切り捨ててしまうことは、何百人もの才能に溢れたクルーたちの功績を奪ってしまうことになります。私が少し前のめり気味に反応してしまうのはその部分です」と語り、クルーたちを軽視することはしないでほしいと改めて訴えた。(フロントロウ編集部)

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