ドウェイン・ウェイドの娘であるザヤ・ウェイドが、トランスジェンダー女性であることを公表した後に、「女性らしさ」を求められるようになった経験を明かした。(フロントロウ編集部)

ザヤ・ウェイド、カミングアウト後の経験

 元NBA選手のドウェイン・ウェイドを父に持ち、2020年に12歳でトランスジェンダー女性であることを公表したザヤが、ドウェインの妻で俳優のガブリエル・ユニオンとともに、ダヴによるSelf-Esteem Projectのインタビューに参加した。

 もう少しで15歳となるザヤは、幼い頃にはトランスジェンダーというものを知らなかったために自分はゲイだと思っていたが、リサーチを重ねて自分はトランスジェンダー女性であり、ストレートだと理解したと明かしている

 そんな彼女がカミングアウトをした時、ドウェインやガブリエル、そしてきょうだいの家族たちは彼女を全力でサポート。しかし世間からは、ジェンダーステレオタイプに基づくコメントがあったと話した。

 「トランスの人物として言いたいのですが、私がカミングアウトした時に、私はどう髪を伸ばすべきだとか、ある特定の女性らしさに合うようにするべきだという多くの嫌悪的なコメントがありました。それは真実ではないのにです。そういったアドバイスはあなたを壊そうとしているだけですし、そうはさせません」

 性自認が女性だからといって、外見を女らしくしたいわけではない人もいる。それは、身体的性別と自分の性自認が一致していているシスジェンダーの女性であっても同じだろう。性別に関係なく、それぞれが好きな外見をすれば良いだけの話だが、ザヤが女性だと分かった途端に女性らしさが求めた人が多くいたというのは、ジェンダーに関して社会が抱える問題を明らかにしている。

 また、文化の違いも「女性らしさ」の考えに影響を与えることはある。ザヤも、彼女の母であるガブリエルも黒人だが、ガブリエルはインタビューで、自分らしく生きること、とくに世界でスタンダードとされている西洋の美に惑わされないようにと娘に伝えていると明かした。

 「娘が世界のなかでどう行動していくかという話では、私たちは、女性になる方法、女性らしくなる方法は1つに限られていないと強調しています。世界には何十億という人々がいるのだから、世界に存在する方法にも何十億通りのものがあります。そしてすべての人に、この世界のなかでどう存在したいか、そう行動していきたいかを決める能力があります。私は娘に、反黒人に抵抗し、西洋の美の考えを中心に置かないようにと話しています」

 「女らしさ/男らしさ」は社会が作り上げた価値観でしかない。しかしSNSでは外見に関するコメントは多く流れてくる。ザヤとガブリエルがダヴと組んでキャンペーンを開始したのも、そういった理由から。彼女たちが始めた「DetoxYourFeed(フィードをデトックスしよう)」キャンペーンは、SNSにおいて普通とされているティーンエイジャーへの悪質な美のアドバイスをあえてさらすことで、その悪影響を指摘するというもの。ザヤは「私みたいな女の子や10代の子たちがこのキャンペーンを見て、ムーブメントに参加してくれることを願っています」と話した。

(フロントロウ編集部)

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