映画『アクアマン』シリーズでメラを演じる俳優のアンバー・ハードが降板の危機に瀕していたのは事実だとワーナー・ブラザースの幹部が認めるも、出演シーンが減ったという主張については否定。(フロントロウ編集部)

アンバー・ハードの『アクアマン2』降板危機は事実

 俳優のジョニー・デップが元妻で同じく俳優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴えた裁判で、現地時間5月24日、アンバーが出演する映画『アクアマン』シリーズを製作するワーナー・ブラザースのDC映画制作部門、DCフィルムズのウォルター・ハマダ社長がビデオ形式で証言を行なった。

 ご存じの方も多いと思うが、アンバーは2018年に米Washington Postに寄稿した論説で、名前こそ出さなかったものの、ジョニーであることがわかるかたちで彼によるDV(家庭内暴力)を告発した。ジョニーはそれが名誉毀損にあたるとして、5,000万ドル(約64億円)の損害賠償を求めてアンバーを提訴。一方のアンバーも、ジョニーが彼女のキャリアと評判を傷つけるために仕組んだ中傷キャンペーンによって甚大な影響を受けたとして、1億ドル(約130億円)を求めて逆提訴している。

 フロントロウでお伝えしたが、ジョニーとの長引く法廷闘争や、彼の弁護士から“嘘つき”と呼ばれたことが、俳優としての活動に支障をきたしたと主張するアンバーは、先日行われた裁判で、『アクアマン』の続編『Aquaman and the Lost Kingdom(原題)』(以下『アクアマン2』)が制作されるにあたって、ワーナー・ブラザースが彼女の出演に難色を示していたと証言。さらに、当初の予定よりも出演シーンが大幅にカットされたことも明かした。

画像1: アンバー・ハードの『アクアマン2』降板危機は事実

 一方、ワーナー・ブラザースがアンバーを再起用することに否定的だったのは、主演俳優のジェイソン・モモアとアンバーのあいだにケミストリーが感じられず、ハマダ社長がそのことを懸念していたからだという話もあり、ジョニーとの対立が彼女の仕事に影響を与えた否かを判断するためにも、“なぜワーナー・ブラザースがアンバーの出演に乗り気ではなかったのか”が重要な争点のひとつに。

画像2: アンバー・ハードの『アクアマン2』降板危機は事実

 これについてハマダ社長は、ジョニーの弁護士の発言がアンバーの役に影響を及ぼしたことはないと否定。「1作目が公開されたあとに持ち上がった懸念事項、それはケミストリーの問題です。2人の相性は良かったのでしょうか?編集を駆使して1作目ではその関係をうまく作れたのですが、そこに至るまでに大変な労力を要するという懸念がありました。ジェイソン・モモアともう少し自然な相性を持つ人物を探し、キャスティングし直した方がいいのではという話になりました」と言うと、「映画では主役の2人が相容れないことはよくあることで、それは一種の映画マジックであり、編集の仕事でもあります。素晴らしい音楽の魔法を使ったパフォーマンスと、そのピースをどう組み合わせるかで、ケミストリーを捏造することができるのです。完成した作品を見ると、2人の相性はとても良いように見えます。しかし、ポストプロダクションの過程で、そこに至るまでには多くの努力があったことを私は知っています。時には、スクリーン上でキャラクターを組み合わせるだけで、うまくいくこともあるのです。まさに、映画スターが映画スターたる所以です。見る人にはわかります。ケミストリーがなかったんです。今回は、2人の相性が悪かったので、より大変でした」と説明した。

出演シーンの大幅カットについては否定

 また、続編で出番が「減った」というアンバーの主張が事実かどうか聞かれたハマダ社長は、「いいえ」と回答。ハマダ社長によると、続編は制作のごく初期段階から、ジェイソン演じるアーサー・カリーことアクアマンとパトリック・ウィルソン演じるオーシャンマスターことオーム王をメインにした、“バディ・コメディ”として構想されていたそうで、「つねにこの2人(ジェイソンとパトリック)が共同主役でした」と述べた。

 このほかにハマダ社長は『アクアマン』は非常に評判が良く、試写会に参加した人たちがアンバーを高く評価したとも供述。アンバーとの続編の撮影がスムーズに進んだことも明かしている。(フロントロウ編集部)

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