『鬼滅の刃』が中国で修正されたよう。結果的に女性キャラクターが性的に描かれている度合いが軽減し、海外ファンからは「日本版よりも良い」という声が。(フロントロウ編集部)

検閲によって女性キャラの性的モノ化が軽減する結果に

 日本の大ヒットアニメ『鬼滅の刃』の遊郭編が中国でも放送されたよう。しかしあるファンによると、中国の検閲によってキャラクターデザインが変更されたよう。画像に写るのは、須磨、まきを、雛鶴の3人。上段の画像がオリジナルのもので、下段の画像が中国のものだという。中国版では、3人の胸元が隠されたのだ。

 アニメや漫画において、女性が極端に性的に描かれることは普通となってしまっているため、中国政府による検閲は問題だが、この修正については、検閲を認めたくはないが良い結果となっているという声が多くあがっている。

 別のユーザーからは、この画像の中国版は加工されているとして、「これが本当の中国バージョン」だという画像も投稿されている。しかしその画像でも谷間が隠されていることが分かり、「日本版よりも良いと思う」というコメントが添えられていた。

 漫画、アニメ、映画、テレビ番組などにおいて、登場する女性が不必要に性的に描かれるというのは「sexualization(セクシャライゼーション/性的モノ化)」と言って、世界で問題となってきた。

 例えば戦士であれば、敵の攻撃から体を守るための服装をすることが筋が通っており、男性キャラクターであればその理論にのっとった衣装デザインがされるが、女性キャラクターだとなぜか露出が多い恰好で戦わせられる図は多い。

 忍者である須磨、まきを、雛鶴の服装についても、「グッド。私が好きな検閲は、まったく意味をなさない不必要なファンサービスを取り除く時。だって、彼女たちは本物の忍者だよ。いずれにせよ、なんで彼女たちはそんな露出の多い服を着てるの???」というコメントがあった。

 また、『鬼滅の刃』以外のアニメも修正されているそうで、「中国のアニメの検閲は、皮肉なことにとても良く見える」という意見があがっていた。

 一方で、今回の中国の検閲は女性の性的モノ化を防ごうとする目的ではなく、女性の体を性的な物として見ているからこそなされたものだと予想できる。本来であれば、男性が上半身裸でも性的に見られることもなければ、検閲されもしないように、女性の体も性的なものだとみなされないことが必要。

 しかしアニメや映像作品、アートや広告などでは、意図的に女性の体が性的なものとして表現されることも多いため、その意識が社会で共有され、女性という存在が性的に見られるという問題へとつながる。

 中国の検閲については、「正直に言って、中国バージョンは改良でしょう」「普段は検閲を支持しないが、特定のケースでは例外。アニメでは女性が異常なほどに性的に見せられてる」「私はこういったことについて、中国とは愛憎の関係がある。一方では、私は検閲に反対。一方では、なぜ中国政府がそうするのか100%理解できる」といった意見があがっていた。

(フロントロウ編集部)

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