18歳のシンガーソングライター、テイト・マクレーはなぜ社会問題のために声をあげる? 中絶の権利を求める広告に署名したテイト・マクレーがフロントロウ編集部のインタビューに答えてくれた。(フロントロウ編集部)

中絶禁止に反対する広告に署名したテイト・マクレー

 今年5月、アメリカ連邦最高裁判所が女性の人工中絶をする権利を認めた1973年の判例「ロー対ウェイド判決」を覆す見通しであることを示唆する草案の存在が明らかになり、世間を騒然とさせた。

画像: 中絶の権利を求め、「Bans Off Our Bodies(私たちの体を規制するな)」などと書かれたメッセージを掲げて米カリフォルニア州でデモを行なう人々。

中絶の権利を求め、「Bans Off Our Bodies(私たちの体を規制するな)」などと書かれたメッセージを掲げて米カリフォルニア州でデモを行なう人々。

 この草案は、妊娠15週目以降の中絶を禁じたミシシッピ州独自の法律の合憲性をめぐる訴訟に関し、“中絶を認めるかどうかは各州に委ねるべき”だとする多数意見をまとめたもの。この草案が成立すれば、中絶に反対意見を唱える政治家が主導権を持つ州で女性たちの選ぶ権利が脅かされる可能性が高く、NPO団体プランド・ペアレントフッドは、アメリカの複数の州が草案の成立後に中絶を違法とすることを検討していると伝えている。

 この草案の存在が明るみになると、全米各地で中絶の権利を求めるデモ行進が行なわれるなど、草案に反対する多くの声があがることに。若手セレブたちも行動を起こして、アリアナ・グランデやビリー・アイリッシュ、ケンダル・ジェンナー、セレーナ・ゴメスら約160人のセレブたちが、人工中絶や避妊をサポートしているNPO団体であるプランド・ペアレントフッドが現地時間5月13日に米The New York Timesに発表した紙面広告に署名して、中絶の権利を求めた。

 「最高裁判所がロー対ウェイド判決を覆そうとしています。私たちが自分たちの将来を計画し、自分たちの身体をコントロールできる力を持つことができるかは、中絶を含む、性的および生殖的なヘルスケアにアクセスできるかにかかっています」と見出しがつけられたこの広告に署名した約160人のセレブたちの中には、10代のセレブも何人かおり、オリヴィア・ロドリゴ(19)やゲイル(18)らと並んでこの広告に署名したのが、待望のデビューアルバム『アイ・ユース・トゥ・シンク・アイ・クッド・フライ』を5月27日にリリースした、現在18歳のシンガーソングライターであるテイト・マクレーだった。

画像: テイト・マクレー

テイト・マクレー

テイト・マクレーが社会問題に声をあげる理由

 フロントロウでは、そんなテイトと話した機会に、中絶の権利を求める広告に署名したことについて訊いてみると、「100%、これはクレイジーなことです」と、この草案について断言した上で、「自分の身体をコントロールする権利は自分自身にあるべきです。女性が自分の身体について、何をすべきで、何をすべきではないのか、これは男性たちが決めることではありません。誰もが、自分が何をしたいのか選択する権利を持つことはとても大切だと思います。見ていて辛くなってしまいますよね」と語ってくれた。

画像: テイト・マクレーが社会問題に声をあげる理由

 広告に署名することに決めた経緯については、「一部の人たちが、残りの全員の人生に大きな影響を与えることについて決定を下すべきではないと、私は思います。もし自分自身がこれを経験することになったら、間違いなく精神的に参ってしまうと思ったので、私も声をあげました。これに署名して、自分の名前をリストに載せたいと思ったのです」と語ったテイト。

 一方で、7月1日に19歳の誕生日を迎えるテイトは、「まだ若い私たちが自分の意見を持とうとしているという点で、プレッシャーは確かにあります」とも話す。それでも、こうした社会問題に声をあげるのは、「私はただ、自分が信じていることや、心からサポートしていることをみんなにも伝えたいと思っている」からだという。

 「自分たちはまだ、自分が何を信じるかということや、間違ったことを言わないようにする術を理解しようとしている段階なので、(意見を言うことの)難しさはあります。ただ、周りの人たちに、自分が何を支持して、何を支持していないかを理解してもらうことは、私の今後数年間でものすごく大切なことになると思っています。これから年を重ねていく過程で、正しいことのために立ち上がり、自分のプラットフォームを可能な限り使っていきたいと思っています。私は、自分が信じているもののために出来る限りの事をしたいです」とテイトは語った。

今はメンタルヘルスの問題に関心があるというテイト・マクレー

 そんなテイトに、現在特に関心を寄せているトピックについて訊いてみると、「私はメンタルヘルスの大切さについて、自分の音楽を通じて積極的に発信してきました」と話してくれた。

 デビューアルバム『アイ・ユース・トゥ・シンク・アイ・クッド・フライ』でも失恋や10代特有の不安に触れているテイトは、「多くの人たちにとって、心の奥底に秘めている感情を言葉にするのは難しいことだと思います。そういう会話を親や友だちとするのも難しいことだと思うのですが、そうやって抱えたままでいると、不安な感情が芽生えてくるなど、良くない結果になってしまいます。なので、私は常に、自分の音楽を聴いてくれる人たちには、安心感を感じて、あなたは一人じゃないということを感じてもらいたいと思っています」と話す。

 「そういう理由から、私はメンタルヘルスについて積極的に発信してきました」とさらに続けたテイトは、悩みを抱えがちな人たちへ向けて、次のようにメッセージも送ってくれた。「みんなには何かを抱え込まずに無事でいてもらいたいですし、一人ではないということを知ってほしいです」

<リリース情報>
テイト・マクレー
『アイ・ユース・トゥ・シンク・アイ・クッド・フライ』
配信中
ストリーミングやダウンロードはこちら:tatemcrae.lnk.to/DebutAL_iutticfFT

画像: 今はメンタルヘルスの問題に関心があるというテイト・マクレー

(フロントロウ編集部)

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