「ドーパミン・ビューティ」がトレンドの予感
2019年に始まった新型コロナウイルスの世界的流行により、今まで当たり前だった日常生活が一変。外出自粛やマスクの着用によって美容意識やニーズにも大きな変化が起き、ナチュラルな仕上がりのベースメイク、マスクでも目立ちにくいヌードリップ、シンプルなアイメイクなど、必要最小限のメイクがトレンドに。
実際に、トレンドの発信源となっているTikTokでも 「No Makeup(ノーメイク)」「Minimal Makeup(ミニマルメイク)」といったハッシュタグが頻繁に使われ、累計8億3460万回再生も記録している。
そんなコロナ禍も3年目に突入し、ついにメイク・トレンドにも変化が。そのトレンドのひとつとして今注目を集めているのは、コロナ禍の暗いムードを吹き飛ばしてくれる、ポップでカラフルな「ドーパミン・ビューティ(Dopamine Beauty)」!
シンガーのビヨンセをはじめ、モデルのナオミ・キャンベルなどセレブからの信頼が厚い、カリスマメイクアップアーティストのサー・ジョン・バーネットが提唱する「ドーパミン・ビューティ」とは、その名の通り、やる気や幸福感を与えてくれる脳内物質「ドーパミン」が出そうな、大胆で明るい色を使ったメイクアップ方法のこと。
いまファッション界を席巻している「ドーパミン・ドレッシング(Dopamine Dressing)」から派生した言葉だとされており、イエロー、ピンク、ブルー、オレンジなど、気分を高揚させてくれる鮮やかなカラーで遊ぶのがポイントなのだそう。
また、Net-A-Porterのグローバルビューティディレクターを務めるニュービー・ハンズ氏いわく、ドーパミン・ビューティは、これまでトレンドだった「コントゥアリング・メイク」のように“完璧”を求めないのも特徴だそうで、英Glamourのインタビューで「(ドーパミン・ビューティをつくるときは)指が理想です。ブラシすら必要ありません」と話し、 固定観念に囚われず自由に楽しむものだと明かした。
ほかにも、ドーパミン・ビューティの最も簡単な取り入れ方について、ニュービーは「いつもの黒のアイライナーをブロンズやバーガンディ、あるいはピンクやターコイズのアイライナーに変えるだけでOK。メイクの印象がガラリと変わります」ともつけ加えた。
とはいえ、アイメイクからリップまで全て鮮やかな色にしてしまうと、バランスが取れず野暮ったく見えてしまう恐れもあるそう。そのため、メイクアップアーティストのゾーイ・テイラーは「一般的に、リップの色を鮮やかにしたい場合は、アイメイクは控えめにするのが鉄則ですし、その逆もしかりです」とアドバイスしている。
見ているだけで楽しい、カラフルでポップな「ドーパミン・ビューティ」。いつも同じメイクばかりで少しマンネリ気味という人は、鮮やかなカラーメイクで気分を変えてみては。(フロントロウ編集部)