『ストレンジャー・シングス』や『ドクター・フー』、『スタンド・バイ・ミー』や『ターミネーター』などを合わせたような作品だと高評価を博しているAmazonプライム・ドラマの『ペーパーガールズ』。その魅力とは?(フロントロウ編集部)

アマプラの『ペーパーガールズ』が大ヒット中

 7月29日より配信開始となったAmazonプライム・ビデオによるドラマ『ペーパーガールズ』が各地から高評価を獲得中。

 批評家たちの口からは本作に似ている作品として、ドラマ『ストレンジャー・シングス』や『ドクター・フー』、『アンブレラ・アカデミー』、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の名前があがり、原作コミックの作者ブライアン・K・ヴォーンは映画『スタンド・バイ・ミー』と『ターミネーター』からの影響を明かしている『ペーパーガールズ』って、一体?

『ストレンジャー・シングス』な雰囲気を持つ『ペーパーガールズ』

 本作は、1988年を生きる12歳の少女4人が主人公。新聞配達をしていたエリン、マック、ティファニー、KJはある日、空が真っピンクになっていることに気がつく。そして家へ帰ってみたら、そこには大人のエリンが…!?  2019年にタイムトラベルをしてしまった4人は、タイムトラベラー達が2組に分裂し、高度なテクノロジーを使って起こした戦争に巻き込まれていく。

 「80年代」「12歳の子どもたち数名」「自転車」「不気味な空」「別の世界」と聞けば、なぜ本作がNetflixの大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス』とよく比較されているか分かるはず。さらに予告編の映像からも似た雰囲気が感じ取れる。

 しかし本作の原作コミックスは『ストレンジャー・シングス』よりも前にスタートしており、米Varietyは「『ペーパーガールズ』のドラマ版は、『ストレンジャー・シングス』との比較は避けられないが、それ以上の評価に値する」としている。

 そして、『ストレンジャー・シングス』といえば、約1カ月前にシーズン4の全話が配信開始となり、話題騒然の大ヒットを記録したばかり。そんな作品と比較されているにもかかわらず、ここまでの高評価を記録していることを考えると、『ペーパーガールズ』の魅力の深さが分かる。

『ペーパーガールズ』の奥深い魅力とは

 本作の魅力は英Digital Spyが、「強制されている感じがせずに、SFの世界で登場してこなかった人々に声を与えている」と評価しているとおり、これまでのSF作品では見かけなかったキャラクターや、様々な心の悩み・葛藤が描かれていることにある。

 分かりやすくいえば、4人の少女が主人公のSFドラマや映画はこれまでにあっただろうか?ということだ。また、エリンは中国人で、ティファニーは黒人。マックは社会で言われがちな“女の子らしい”というステレオタイプには属していない。作中ではジェンダーやセクシャリティについての会話もある。

 そして、これが重要なエッセンスの1つだろう。米Colliderは、「この作品が、少女たちがお互いの違いをどうやって受け入れていくかを見せているのは新鮮で説得力がある」と指摘。アドベンチャー作品は、すでに仲が良い少女たちや少年たちが冒険に繰り出すことが多いが、本作の始まりでは4人は親しくはない。そのなかで友情を深めていく様子は、多くの視聴者の心に染みるものがあるはず。

 また、大人のキャラクターたちも手を抜かずに作られていることは、本作の質を高めている。大人になったエリンを演じるのはコメディアンのアリ・ウォンだが、本作での彼女は「あちこちでジョークを言う自信のあるキャラクターではなく、自身が抱える不安定さや罪悪感に溺れているキャラクター」で、米colliderは、視聴者は彼女に愛着を持ち始めるはずだと、彼女の描かれ方やアリの演技を評価した。

 米Bleeding Coolは本作を、「Amazonプライム・ビデオによる『ペーパーガールズ』は、観客である数百万の女性や少女たちに、彼女たちが長い間得られるべきだったSFアドベンチャーを提供する」と称賛。それを受けて本ドラマのクリエイターであるステファニー・フォルソムは、「ミッション完了。私は、女性のための『スタンド・バイ・ミー』を作ろうとした。(女性の)イメチェンを含まない思春期の物語を受け取ったことはなかった。少女たちは少年たちの冒険のアクセサリーになってきた。私は、欠点もあり、怒っている、強いヒーローである若い女性たちが見たかった」とコメントした。

 ドラマ『ペーパーガールズ』は、Amazonプライム・ビデオで独占配信中。

(フロントロウ編集部)

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