ハリー・スタイルズにインスピレーションを得て書かれた小説『The Idea of You』が実写映画化。主演はアン・ハサウェイ! ここ最近で年上女性×年下男性の物語が増えている理由とは?(フロントロウ編集部)

アンハサが年下男性との恋愛で自分を取り戻す

 俳優であり作家のロビンヌ・リーが2017年に発表した小説『The Idea of You』がAmazonプライム・ビデオで映画化! 物語は…、アン・ハサウェイハリー・スタイルズの大恋愛!?

 2017年に発表されるも、2020年には売り上げが前年よりも20%増を記録し、コロナ禍のヒット作となった『The Idea of You』の主人公は、アートギャラリーのオーナーであるソレーヌ。40代を目前とした39歳の彼女は、離婚をした後に、10代の娘のリクエストでオーガスト・ムーンという人気ボーイズバンドのライブへ。乗り気ではなかったのに、そのメンバーであるヘイズ・キャンベルと出会い、なんと恋愛に発展。それぞれが世界中を飛び回っている2人は、様々な場所で一緒に過ごしていく。それは、ソレーヌが自分自身を取り戻す旅になるのだった…。

 物語に登場するオーガスト・ムーンはワン・ダイレクションを、ヘイズはハリーを参考にしている存在となっている。

画像: ハリー・スタイルズ

ハリー・スタイルズ

 そして、映画版ではソレーヌがソフィーという名前になり、アンが演じる! 24歳という設定になるヘイズを誰が演じるのかは発表されていないが、ハリーになってほしいもの。しかしハリーは、今年公開の映画『僕の巡査』と『ドント・ウォーリー・ダーリン』以降は、一旦音楽業に専念したいと話していたことから、別の俳優が起用される可能性が高そう。

画像: アン・ハサウェイ

アン・ハサウェイ

 ハリーからインスピレーションを得た小説が実写映画化されるのは、これで2度目。ハリーのファンが書いたティーン向けの官能小説および映画の『アフター』はすでに人気シリーズとなっており、映画は4作目の制作が決定している。

物語のなかで“年上女性”が描かれないのは社会問題

 今回、『The Idea of You』が映画化されることになったのは、社会にとって重要なことでもある。これまで多くの映画やドラマでは、「40代女性の恋愛」や「年上女性と年下男性の恋愛」が描かれることは少なかった

 原作者のロビンヌは、本作はハリーについての物語ではなく、「40歳になろうとしている女性が性的関心を取り戻し、自分自身を再発見するという物語なのです。社会は慣習的に、そういった物語から女性を排除してきました」と米Vogueで語る。ソレーヌの元夫は若い女性と再婚するが、そういった時に、これまでは元妻がみじめな様子で描かれることは少なくなかったし、元妻が若い男性と再婚するという展開は少なかっただろう。

 また、映画やドラマでは年上女性の恋愛だけが描かれていないわけではなく、いろんなタイプの女性が描かれてこなかった。俳優のキャリアも持つ現在48歳のロビンヌは、年を重ねるにつれて、映像業界でオファーされる役は変化すると話し、「あなたはもう魅力のある女性ではない。彼女ではない。もはや魅力のある妻でもない。母親だ(となっていく)。それは私の心を壊しましたし、怒りに燃えていました」と指摘。そのなかで経験した感情が小説に込められていると話した。

 最近では、そんな状況を変えようという視点から作品を制作する女性俳優も少なくない。イギリスの大御所俳優エマ・トンプソンは過去に、「ジョージ・クルーニーが、彼は素晴らしいけれど、40歳、30歳年下の誰かと一緒にいても何事もなく受け入れられるでしょう。でももし私がロマンチックな関係で誰かといるなら、制作陣は誰か(相手役を)見つけ出さなくてはいけませんね。なぜなら、私は現在61歳だからです。言ってる意味が分かるでしょう?これは完全に、徹底的にアンバランスですよ」と語っていた。

 そしてその後、夫を亡くしたナンシーがセックスを楽しむためにセックスワーカーの青年レオと交流するコメディ『GOOD LUCK TO YOU, LEO GRANDE(原題)』を制作。エマと、レオ役のダリル・マコーマックは33歳差。

 また、2年連続でエミー賞において20部門にノミネートされたApple TV+のドラマ『テッド・ラッソ』では、ハンナ・ワディンガム演じるレベッカと、トヒーブ・ジモー演じるサムが恋愛を楽しんだ。2人には23歳の差がある。

 別の問題として、あまりに若すぎる相手との恋愛というのは物議を醸すポイントではあるが、エマが話した通り、男性では描かれるのに、女性では描かれないというのは考えるべき点。これらの問題は40代以上の女性たちだけではなく、40代の女性の扱われ方を見ている年下の世代の女性たち全員に影響するため、様々な女性の様々な側面が描かれることは非常に重要。

(フロントロウ編集部)

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